アイオロス | :ほら、エセル、こっちに来い。 |
サガ | :何? |
アイオロス | :髪乾かしてやる。 |
サガ | :ああ、有り難う。随分と親切だね。どういう風の吹き回し? |
アイオロス | :お前ね、俺はいつだってお前には親切だろ? 熱くないか? |
サガ | :うん。丁度いいよ。 |
アイオロス | :…うーん…お前の髪ってホントに便利だな。白髪が目立たん。 |
サガ | :えっ…? 白髪? あるのか?? |
アイオロス | :いや、今日は無いけど、こないだ1本在っただろ? そういやお前、学生の時から『老人がコンマス席に居る』ってアンケートのコメント貰ってたよな(笑) |
サガ | :放っておいてくれ…… |
アイオロス | :まあ、そうむくれるな。可愛くしてやるから♪ |
サガ | :(確かに色素薄いけど……よく見れば一応金色なんだ。舞台上ではライトの具合で白く見えるのかも知れないけど…) |
アイオロス | :よし! これで大体乾いたな。後は、こう…髪の毛を… |
サガ | :ロス? 何をしているんだ? (いつの間に……) |
アイオロス | :いや、こないだすれ違った女の髪型がなかなか手が込んでてな。お前に似合いそうだったから。 |
サガ | :はあ?! |
アイオロス | :うーん…。なんか、上手くいかないな……エセル、お前、こう、なんか縄みたいな感じに出来るか? 細いの。 |
サガ | :縄、って……(汗) |
アイオロス | :いや。名前は知らんな。だか、こう、なんかジグザグになってるやつ。ああ、そういえばミロもクリスマスの時にやってたな。 |
サガ | :まさか、三つ編みのことか……?(汗)彼のは編み込みだったけど…… |
アイオロス | :よし、じゃあ、ソレこう、両脇に2、3本作ってくれ。で、オレは…。 やっぱりな(笑) ちょっと巻くと直ぐにお前の髪って縦ロールになるのな(笑) |
サガ | :ちょっと、ロス、人の髪で何をしているんだ!! うわっ! それじゃ髪がもつれる……! |
アイオロス | :ほら、こっちの事はいいから、さっさとやれよ! |
サガ | :さっさとやれって……何故私が女性の髪型を真似なくてはならないんだ……(溜息) |
アイオロス | :ゴムとか無かったか? |
サガ | :普段束ねているゴム輪がそこにあるくらいだけど……(人の話聞いていないし……(涙)) |
アイオロス | :大きすぎて細いのは上手く纏まらないな……ま、いいか、オレが咥えていれば…。 |
サガ | :(兎に角、こうなったら満足するまで止めないんだ……ロスは……) |
アイオロス | :ンム? ムムッンムンンンム? |
サガ | :(さっさと仕上げて終わりにしよう……) |
アイオロス | :ンーンーンー! |
サガ | :(親切な時は要注意だって、分かってはいたんだが……) |
アイオロス | :…おし! 出来たぞ! ほら! エセルのが可愛いし美人だ♪ よく似合ってる♪ |
サガ | :…って……ええっ?! 何だ?! この髪留めは!!! |
アイオロス | :いや、エセルのトコに行きたいと窓越しに訴えられてな。やはり頼みは聞かなければ悪いだろう? |
サガ | :これ……ビーズは全部スワロフスキーじゃないか! 一体これに幾ら払ったんだ……!! |
アイオロス | :そんな怖い顔しないの! 折角の美人さんなんだから♪ |
サガ | :(やっぱりクレジットカードの限度額下げておけばよかった……!) |