2007年 エインズワースさん宅の3月のある日から

アイオロス :ほら、エセル、こっちに来い。
サガ :何?
アイオロス :髪乾かしてやる。
サガ :ああ、有り難う。随分と親切だね。どういう風の吹き回し?
アイオロス :お前ね、俺はいつだってお前には親切だろ? 熱くないか?
サガ :うん。丁度いいよ。
アイオロス :…うーん…お前の髪ってホントに便利だな。白髪が目立たん。
サガ :えっ…? 白髪? あるのか??
アイオロス :いや、今日は無いけど、こないだ1本在っただろ? そういやお前、学生の時から『老人がコンマス席に居る』ってアンケートのコメント貰ってたよな(笑)
サガ :放っておいてくれ……
アイオロス :まあ、そうむくれるな。可愛くしてやるから♪
サガ :(確かに色素薄いけど……よく見れば一応金色なんだ。舞台上ではライトの具合で白く見えるのかも知れないけど…)
アイオロス :よし! これで大体乾いたな。後は、こう…髪の毛を…
サガ :ロス? 何をしているんだ? (いつの間に……)
アイオロス :いや、こないだすれ違った女の髪型がなかなか手が込んでてな。お前に似合いそうだったから。
サガ :はあ?!
アイオロス :うーん…。なんか、上手くいかないな……エセル、お前、こう、なんか縄みたいな感じに出来るか? 細いの。
サガ :縄、って……(汗)
アイオロス :いや。名前は知らんな。だか、こう、なんかジグザグになってるやつ。ああ、そういえばミロもクリスマスの時にやってたな。
サガ :まさか、三つ編みのことか……?(汗)彼のは編み込みだったけど……
アイオロス :よし、じゃあ、ソレこう、両脇に2、3本作ってくれ。で、オレは…。
やっぱりな(笑) ちょっと巻くと直ぐにお前の髪って縦ロールになるのな(笑)
サガ :ちょっと、ロス、人の髪で何をしているんだ!! うわっ! それじゃ髪がもつれる……!
アイオロス :ほら、こっちの事はいいから、さっさとやれよ!
サガ :さっさとやれって……何故私が女性の髪型を真似なくてはならないんだ……(溜息)
アイオロス :ゴムとか無かったか?
サガ :普段束ねているゴム輪がそこにあるくらいだけど……(人の話聞いていないし……(涙))
アイオロス :大きすぎて細いのは上手く纏まらないな……ま、いいか、オレが咥えていれば…。
サガ :(兎に角、こうなったら満足するまで止めないんだ……ロスは……)
アイオロス :ンム? ムムッンムンンンム?
サガ :(さっさと仕上げて終わりにしよう……)
アイオロス :ンーンーンー!
サガ :(親切な時は要注意だって、分かってはいたんだが……)
アイオロス :…おし! 出来たぞ! ほら! エセルのが可愛いし美人だ♪ よく似合ってる♪
サガ :…って……ええっ?! 何だ?! この髪留めは!!!
アイオロス :いや、エセルのトコに行きたいと窓越しに訴えられてな。やはり頼みは聞かなければ悪いだろう?
サガ :これ……ビーズは全部スワロフスキーじゃないか! 一体これに幾ら払ったんだ……!!
アイオロス :そんな怖い顔しないの! 折角の美人さんなんだから♪
サガ :(やっぱりクレジットカードの限度額下げておけばよかった……!)