この話は、囀る60minドロライ「バディ」回で発表するために書き始めましたが、1時間ではどうにもならないのと、写真使うのは反則技かと思いましたので、ドロライのお題を借りたSS、ということで発表いたします。
百矢、というより、2021/11/20の横浜Loft Pop up storeに来場された皆様に連れていっていただいた横浜聖地めぐりログです。もともと一人でぼっち参加するつもりだったのですが、みーぱんさんが合流しませんか、と誘ってくださって、そこでたくさんの囀リストのみなさまにお会いすることができて、更に死神さん、かやさん始め現地通の皆様に聖地めぐりに連れていっていただいて、本当に幸せな1日でした!
本誌にあった場所(モノ)をリストすると、
1)ベイブリッジ 7巻161,166P
2)ガス灯(2つついてる方) 7巻125P
3)赤レンガ倉庫前の広場 7巻124P
4)ランドマークタワー 7巻164P (ビルのシルエット、写真では結婚式場の背後に写ってる)
5)ハーモニカ横丁と宮川橋 7巻127, 132, 133P
(ちなみに写真とらなかったけど「てっちゃん」の店名のもとになったと思われる店は本当にある…)
です。ページ数はcmoaの電子版のページ数です。
言われるまで気づかなかった私(汗) 聖地やゆかりの品を見つけてくる皆様ほんとすごい…
でもって、そういう場所に行くとついつい余計なことを考えてしまうのがどうしようもない性と申しますか……(^^;)
この機会に、ついでにブッチした百目鬼誕も回収しとこうか、とか(汗)。
原作至上主義の皆様にははっきり言って非常に面白くないシロモノだと思いますので、二次創作大丈夫な方だけこの先ご覧いただければと思います(汗)
2021/11/20のポップアップストアでお会いできたみなさまに感謝の気持ちを込めて。
「はあ? ダレだ、このクソッタレな仕事寄越して来やがった奴は?!」
もうもうとガラムの煙の立ち込める中、七原は明らかに機嫌の悪い矢代の足蹴りが飛んでこない距離までそっと後ずさり、社長デスクの前で平身低頭しているカマキリのような男を眺めやった。
この男は、最近矢代が買収した、モデル斡旋業といえば聞こえはいいが、殆ど人買いに近い悪行を重ねてきた人材派遣業の元社長だ。
現在は、矢代の指示で派遣業だけでなくコンテンツの制作もやらされている。
かつては糖尿病まであと一歩の巨漢だったが、この一年で相当神経をすり減らされたのか、激痩せして別人のようなナリになってしまった。
矢代に本気でイビられると、鬼も裸足で逃げ出す地獄を見る、と噂には聞くが、この男の姿を見る限り、噂は確かに本当なのだろう。
「も……申し訳ございません! 予定していたモデルが、国外に遊びに出かけたまま戻らず……」
「オマエそりゃ、待遇が悪すぎて逃げられたんじゃねえの? どうせまた言葉通じねえのいいことに、超過勤務させまくったんだろ?」
「そんなことは、、、決して!!!」
矢代は手元の写真をひらひらと泳がせて、はあ、と溜息をついた。
組を離れてからの矢代は、裏カジノで稼いだ巨額の資金を道心会に流す一方で、三角に目をつけられない程度に違う業種にも手をつけている。人材派遣業、コンテンツ制作もそのうちの一つだ。
ヤクザを取り巻く状況は、年々厳しさを増している。一応、矢代のカジノではヤクザは出入り禁止にしているが、裏カジノがヤクザの資金調達源になっている現状がある限り、矢代の店だけお目こぼしというわけにはいかないのは、矢代も裏で情報取引している警察も承知していた。
そういう事情もあるから、まっとうな正業にも手は広げておかねばならない。大きくは稼げないが、ここ数年で順調に業績を伸ばして、人材派遣業とコンテンツ制作だけでも、自分を養って七原の給料を出すくらいはできるようになった。
今回の依頼は、「バディもの」のテーマで撮影された一連のスナップショット、というものだ。
この手の依頼は、雑誌や放送局のメディア関係から舞い込むことが多い。
番組の企画を会議に上げるための資料作りだったり、雑誌の特集記事を飾る写真だったり、という感じだが、今回はダイレクトにホームページのメールフォームから依頼が舞い込んだ。
そして、どうやら個人から送られてきたらしいその依頼内容には、まったくもって不可解な注釈がついていた。
『本来なら、60分で制作しなければならないルールなのですが、特別参加枠につき、時間制限はありません。できるだけカッコよくて、ほんのりブロマンス風味な二人の写真をお願いします❤️』
60分とか、ルールとか、わけがわからない。
金は言い値で払うと言っているから、金持ちが道楽で企画しているパーティのイベントあたりで、自分の制作したものと偽って発表でもするつもりなのかもしれない。
しかし、ほんのりブロマンス風味、ってなんだ。がっつりエロ風味なら、いくらでもAVモデルにやらせられるんだが。
そう思いつつ、まあなんとかなるか、と取り敢えず引き受けたものの、アテにしていたイケメンAVモデルが国外逃亡し、今体が空いているモデルで撮影したらしいスナップ写真は、ほんのりもがっつりも勘弁してほしい仕上がりになっている。
これを一体、どう料理すればいいというのか。
矢代は、苛々とガラムの新しいパッケージに手を伸ばし、無造作に透明フィルムの開け口のタブを歯で噛んで透明フィルムを外した。
大体、このところ面白くないことが続いている。何が一番面白くないって、せっかく人がまる1日予定を空けておいた10月28日、百目鬼がどうしても抜けられない組の用事だかなんだかで顔も見せなかったことだ。
必ず埋め合わせはします、と電話の向こうで泣きそうな声で縋られたが、はっきりいって面白くない。
そりゃ、お前の誕生日だからな、お前が好きなようにするがいいさ、と言ってやったが、結局その後も体が空かないのか、その埋め合わせとやらは完全に宙に浮いている。
……あ。
いいことを思いついてしまった。問題を一挙に解決する方法。
「七原ぁ」
「はい?!」
「お前これからどっかで刑事っぽい安物スーツ2着買ってこい。俺用と百目鬼用な?」
「なんスか、突然!」
「こいつらに任せるより、自分で撮りに行った方が早ぇわ。お題がバディものなんだよ。バディっつったら刑事だろ?」
「バディっすか?……社長はともかく、なんで相手が百目鬼……」
「お前とじゃ上司と部下になっちまうだろーが」
「刑事モノのバディは大概そうじゃないッスか!」
「イケメン二人のブロマンス風味、って注釈つきなの。わかったらさっさと行け」
わかってないです、とぼやく七原の頭上に、「あ゛?!」と不機嫌な声が降りかかる。
七原は蹴飛ばされないうちに、と大慌てで事務所を飛び出した。
「……で、俺は、一体なにをしたらいいんでしょうか……」
横浜駅ビルの屋上に呼び出された百目鬼は、少し裾の短いスーツを羽織って、所在なげに呟いた。
「ぶっ……七原のやつ、お前のはホンットーに安物買ったんだなー!」
裏地もついていない、いかにも新米刑事が着そうな上下で5千円くらいのスーツだ。
しかも、190cmの大男に合うようなものはそうそうないので、普通のビジネススーツのはずなのに丈が短くて、いかにも成人式の若者が着そうな若向けのちょいオシャレスーツみたいになっている。
七原としてはしてやったり、かもしれないが、唯一の誤算があるとすれば、そんなスーツでも似合ってしまう素材の良さだろう。
「今日のお前のミッションは、この横浜の各地で、俺とツーショットの写真をとること。ほんのりブロマンス風味のバディだからな? 俺が上司でお前が部下な」
「……よくわかりませんが、とにかく、頑張ります……で、カメラマンはどこに?」
「それは現地調達。ほれ、やるぞ」
「え、もうですか?」
「最初の指定が、ここ、駅ビルの屋上なんだよ」
「……遠くに海が見えるんですね……見晴らし良いですね……天気もいいし」
「ついでに、一杯ひっかけるか。昼までまだ少し時間あるしな。アッチでビール売ってっから、買ってこい」
「昼まで、って、昼になにか予定があるんですか?」
「あ? 昼ったら、昼飯に決まってんだろが。この下のメキシカン。予約入れてっから」
「……矢代さんが、ですか?!」
「悪いか?」
「いえ……! でも、……あの、あまり、そういうことご自分でするイメージがなくて……」
「あのな、今日は予定てんこもりだから、メシのために並ぶ暇ねえの。」
矢代に案内されて訪れたメキシカンレストランは、席を待つ客がエスカレーターの近くまで伸びていて、人気の店であることを伺わせた。
矢代さんのことだから、ここが美味しいのは事前に調査済みなのだろう。
自分の食生活にはまったく頓着しないが、三角をもてなすときなどは絶対に選択を外さない矢代なのだから、と百目鬼は思った。
「お前、なんにする?」
「ええと……迷いますね……矢代さんはどれにします?」
「俺は、ファヒータがいいかな……あ、チキンとシュリンプがあるな。……どっちにするか……」
「では、俺は、矢代さんが選ばなかった方にしますから! それで、味見してください!!」
矢代のことだ。それ以外は、事前に試して味を知っているのだろう。今日は、これまで試さなかったファヒータを食してみて、また重役をもてなすときなどにその知識を使うつもりなのに違いない。
ならば、自分もその手伝いをしなければ、と勢い込んでそう返答した百目鬼に、矢代は怪訝な瞳を向けた。
「……なんか、えらく力入ってるな? 別に、お前が食いたいもん食えばいいぞ?」
「い、いえ!! 俺も、ファヒータ食ってみたいです……」
「お前、ファヒータが何か知ってんの?」
「………(汗)」
「メキシカンで、肉や魚のグリルしたのに好みのソースつけて、トルティーヤで包んで食べる。……トルティーヤは?」
「………(汗)(汗)」
「トウモロコシをひいて粉にしたもので作ったクレープみたいなやつ。ほれ、行くぞ」
「うわ……随分盛りだくさんだな、これ」
運ばれてきた前菜のプレートを見て、矢代は素直に感嘆の声を上げた。
シンプルなグリーンサラダの周りに、真鯛のカルパッチョ、豚のカルニータス、玉ねぎのピクルス、人参のマリネやブルスケッタが並べられている。
「全部味が違いますね。美味しいです」
「お前なー。一口で食うなよ。もう少し味わえ」
「……すみません。美味しくて」
百目鬼の皿を見れば、すでにサラダも半分消えていた。この巨体だ、この倍の量は必要だったか、と矢代はこの店を選んだことを少し後悔した。
いや、そもそも、刑事モノのバディ設定なら、もっと庶民的な店にするべきだったか。
牛丼屋とか、うどん屋とか?
「お、結構しっかり肉乗ってんじゃん」
「これが、ファヒータですか……」
「そ。これを、このトルティーヤに包んで食べる。……トルティーヤ、3枚か。お前、足りる?」
「大丈夫です。足りなければ適当にどっかでコンビニオニギリでも食いますから」
「そういやお前、米スキーだったな」
暫し、二人とも無言になり、トルティーヤに具材を包んで丸める作業に没頭する。百目鬼は手の上で具材を包むのに四苦八苦しているようだ。
「オマエ、そりゃ端まで具乗っけすぎだ。手巻き寿司じゃねえぞ」
「矢代さん上手いですね……」
「いや、こんなモン上手いとか下手とかって話じゃねえだろ……」
さっさとトルティーヤを丸めて一本の長い棒にした矢代が、それを捧げ持つようにして、口元に運ぶ。百目鬼が、じっとその姿を見ていた。
「……何だ?」
「……いやその……色といい形といい……ちょっと……」
百目鬼の顔が赤い。ははあ。オマエ、そーゆーこと想像してんの?
矢代は、わざと舌を長めに出してトルティーヤの端をちろちろと舐め、伏せた半眼の瞳で百目鬼を見た。
「……矢代さん…………それは、…………相当目に毒です………………」
「いーんだよ。ほんのりブロマンス風味のバディなんだから」
「……ほんのり、でも、バディ、でもないです、それ……(汗)」
「あっそ。でもまあ、舐めると見せかけて、食いちぎるんだけどな──」
あっ、と小さな声を上げて顔色をなくした百目鬼を見ながら、矢代は食いちぎったトルティーヤを飲み下してけらけらと笑った。
「なんだよお前、アレを食いちぎったのが、そんなにショックだったのかよ? 目真っ赤だぞ?」
「違います。……噛みつかなきゃ食べられないじゃないですか……いえ、唐辛子がまるごと入っていたのに気づかないで食べてしまったもので」
「は? 唐辛子まるごと?!」
「5〜6本入ってました……気づいたのは避けたんですが、野菜に紛れて見つからなかった1本を口の中で思い切り噛んでしまって」
「吐き出しゃいいだろ」
「あなたの前でそんなことできません」
なるほど、それで猛烈に辛いのを我慢して食っちまったわけか。どうりで、途中で微妙な顔してると思った。
「いや、俺そっちにしなくてよかったワ」
赤い顔をして汗をかいている百目鬼には丁度よかったかも知れない。
夕方の「港の見える丘公園」は、少し冷たい風が吹きわたっていた。
遠くにベイブリッジが見える。
夜のライトアップも美しいだろうが、夕刻のオレンジの光が当たる姿も悪くない。
「ああいう倉庫群とかって、いかにも刑事モノで使われそうだよな。どっちかが捕まって、相棒が助けに来んの。……って、ヤクザでもあったか。その展開」
暫くの間、黙って遠景を眺めていた矢代が、ぽつりとそう呟いた。同じことを考えていた百目鬼は、驚いて矢代の方を振り返った。
こんなに綺麗なベイブリッジを目の前にして、倉庫群を眺めている自分たち。なかなか、業が深い。
「……あれは……俺にとっては黒歴史です……結局、あなたを無傷で助けられませんでした……」
「マァ、お前の脚に穴開けたのは俺だし、そもそも来んな、って思ってたから、そこは気にすんな。でもな、そのあとが下手打ちすぎだ。カチコミかけるときは、敵を沈めたらまず武器を奪うか腕を使えなくしろ。それが済むまでは、たとえ隣で人が死んでも絶対に脇目振るな。……つっても、刑事モノのドラマとかだと、面白いくらい絶対その鉄則無視されて、ド修羅場になるんだけどな……」
危険な場所に単身飛び込んで、他人を助けてもいい奴は、自分自身が無傷で帰れる奴だけだ。
そう小さく呟いた矢代の横顔を、百目鬼は黙って見つめた。この人は、その結果俺が死にかけたことに、今も傷ついている。そういう人だと知っていたのに、あの瞬間、自分は己自身を守ることを忘れた。
どんな状況にあっても自分の安全を確保するというのは、余裕の証なのだ。
その余裕を失った結果、百目鬼は撃たれた。
だが、それでも、まだ最悪の状況ではなかったのだ。本当に最悪なのは、平田があのとき、百目鬼ではなく矢代を狙うことだった。
残弾数が残り1しかないとは、平田も思わなかったのかもしれない。まず面倒な百目鬼を潰し、そのあとで矢代を殺すつもりだった可能性は十分にあった。
銃を奪われれば一発逆転される。警察学校で訓練を受けておきながら、その可能性にすら気がまわらなかった自分は、あまりにも幼く、未熟だった。雛鳥扱いされても仕方がない。
だからこそ、百目鬼は、桜一家に身を寄せたのだ。危険な世界にいる矢代を護るためには、どうしても、経験が必要だったから。
「ここから、どうしますか?」
「ん──、次の指定は山下公園の方なんだよな……ちょっと距離があるけど……ま、歩くか」
「俺は大丈夫ですが……タクシー拾いましょうか?」
「いや、いい。今日はわりと暖かいし、たまには、ぶらぶら歩くの悪くねえだろ」
山下公園の前を通る地方道82号線、通称山下通りの両脇は、黄金色に色づいた街路樹が多くの観光客の目を惹いていた。
歩道橋の上にわだかまる通行人や、望遠レンズをつけた一眼レフを三脚に立てた写真マニアたちを横目に見ながら、矢代はしばし足を止めて山下通りを見下ろした。
「すごいな、銀杏並木」
「綺麗ですね……。丁度いい季節に来られてよかった」
「あ、そこ、カメラの邪魔」
「ここではスナップショットは無理ですね」
「まあ、リストにも入ってねえし、いいだろ」
スマートフォンに景色だけをおさめて、歩道橋を渡る。夕刻の山下公園は、1割ほどのジョギングをする若者、また1割ほどの犬またはうさぎの散歩をする老人・夫婦・家族、そして8割ほどの楽しそうに語らうカップルで溢れかえっていた。
「……ここで、本当に撮るんですか? なんだかものすごく目立ちそうな気がするんですが……」
「いや、逆に目立たねえんじゃねえの? 自分達の世界しか見えてねえだろ、あれは。つっても、指定の場所はここじゃねえんだけどな。あ、ガス灯」
「これ、馬車道の方にあるのと同じデザインですね」
「そう。復元だけどな。でも、この頃のデザインは、やっぱオシャレだよな」
「どうして最近は、全てそっけないデザインにしてしまうんでしょうね……」
「まあ、経費削減、と言いたいところだが、数作ればこれだって大して金がかかる形じゃないと思うがな。町の景観を良くするために、少しだけ日本の町工場を支援する決断を上が下せば、もう少しこの国の景観は良くなっていたんだろうが。……そういや、たしか、これが二つついてるのがあるはずなんだよな……もうちょっと海岸通りに近い方だったか……」
「ああ、あった。これ」
「本当ですね……ここだけ2つ、ですか?」
「だけ、かどうかは知らんが、数は少ないらしい。あ、そこになんか説明板あんだろ」
道の脇には、当時のガス灯と馬車道を描いた絵と、「ガス灯の生いたち」と記されたプレートが飾られていた。
「文明開化、ですね……。あまり歴史は得意でなかったので、よく覚えてませんが」
「オマエ、なんか得意な科目あったの?」
「……」
「……よく警察官採用試験受かったな?」
「……かなり、必死で勉強しました……」
「つまり、やればできるってことだな。今からでも遅くねぇから、もう少し勉強しとけ?」
「さて、着いた」
「ここが、その指定の場所ですか?」
「そう。……なんか、たそがれた雰囲気で、とか注釈ついてんな……なんなんだ。ドラマの1シーンとかか?」
象の鼻パークを通り抜け、ここは赤レンガ倉庫のある赤レンガパークの端だ。人出は山下公園ほどではないものの、この辺りは釣り人が結構多く、そういった人物を避けて撮影するのはなかなかに骨が折れる。
通りがかりの女性観光客らしき二人組にスマホを渡して、数枚の写真を撮ってくれるよう頼むと、二人とも顔を真っ赤にして、バースト設定で合計100枚近い写真を撮ってくれた。
「うわ……これむしろ後で選ぶの大変だな……」
「お二人とも、矢代さんに見惚れてましたね」
「はぁ? オマエ視力おかしいぞ? ……って、ホントに目悪いんだったな、オマエ」
「遊覧船とか、時間あったら乗りたかったな……」
「そうなんですか? あなたはそういうものには興味がないのかと」
「うーん、まあ、ぶっちゃけ、あんまし興味ねえんだけどな。でも、一回くらい乗ってみるのも悪くないかと。……そーいうの、やったことねぇから」
ガキの頃から。そんな、言葉にならなかった声が聞こえたような気がして、百目鬼は不意に、目の前の細い肩を抱きしめたい衝動に駆られた。
お題は、ほんのりブロマンス、だ。そこまでやったら、「ほんのり」じゃないだろう。でも。
「……風が冷たくなってきましたから。これを」
自分が羽織っていたコートを脱いで、後ろから矢代の肩にかけた。
矢代の体が、一瞬、びくりと震えたのが、伝わってきた。
……数秒、後ろから囲った腕を離さなかったのは、……まあ、誤差の範囲、ということにしておこう。
「……お前が寒いだろ、それじゃ」
「俺は寒くないです。筋肉ゴリラなので」
「……何だそれ?」
赤レンガ倉庫は、ライトアップが始まって美しい姿を浮かび上がらせていた。
惜しむらくは、外壁修理中でかなりの部分を工事の足場に覆われていることだが、もともと使われているレンガが脆い性質があるらしく、文化遺産を後世に残すためには必要不可欠な修理なのだろう。
中には、アパレルや雑貨屋が入っているらしいが、刑事のコスプレ(?)をした状態で入るような場所でもないので、そのまま運河パークの方に向かって歩く。途中、公園で人だかりを見た。
「何だアレ?」
「何か……イベントのようですね?」
「えらい並んでるけど……通ると音がする? ふーん?」
「並びますか?」
「いや、いいわ。……あ、5時だ」
振り返れば、ワールド・ポーターズビルに据え付けられた機械仕掛けの時計の鐘が、「夕焼けこやけ」のメロディーを奏でていた。
「あの時計、やっぱ鐘鳴るんだな。でも選曲がなぁ……あ、もしかして、毎時違う曲なのか?」
「かもしれませんね……朝の9時に、「カラスといっしょに帰りましょう」とか言われても困りますし」
「ぶっ……それ、イイわ、笑える!」
「リストは、あとどのくらい残ってるんですか?」
ワールドポーターズビルの中を、途中カピバラの赤ちゃんを横目に見ながら通り抜け、運河に面した出口から出たところで、百目鬼は矢代にそう尋ねた。
海の見える丘公園からここまで、約2.5kmの距離を歩いてきた。
すっかり日も暮れたし、自分はなんともないが、矢代はそろそろ休憩したいのではないか、と思ったのだ。
でも、まだ回る場所があるなら、一度腰を落ち着けてしまうと、動きにくくなるかもしれない。
矢代は、ジャケットのポケットから折りたたまれた紙を取り出して広げた。
「うーん、あとは、駅の向こう側だな……随分歩いたし、エアキャビン乗るか」
「エアキャビン?」
「そ。ここから桜木町駅まで、ケーブルカーの個人版みたいなのが通ってんの。カップルがイチャつくにはもってこいなんだが、時間が短いのが難点だなー。あっという間だからヌくのはムリ」
「…………(汗)」
「でも、キスくらいならできるかも。……乗りたいか?」
「……乗りたい、です。」
「じゃ、チケット買いにいくか」
夜の運河パークは、そこかしこがライトアップされていて、観光客やカップルが溢れていた。
その上を、七色に光るキャビンが滑るように渡っていく。
おそらく、コロナがなければ、もっと人が溢れている界隈なのだろう。
「……なんだか、随分近未来的な感じですね……」
「そーねー。あ、ダメだわ。乗り場の方はそうでもなかったけどチケット売り場がすげえ並んでる。結構お高いのに、皆金落とすなー! ボロい商売だな」
見れば、決して狭くはないチケット売り場の中には、蛇のような折り返し行列ができていた。
一度に乗れる人数が最大4人、といっても、ほとんどはカップルだと仮定すれば2人。
待っていても、乗れるまでに40分以上はゆうにかかりそうだ。
「どうします?」
「しゃーないな。汽車道を歩く。こっちも景色は悪くないから」
「すげえド派手な結婚式場だな……あそこまでキンキンだと逆にご利益ありそう」
「……ああいうところで、挙式したい、と思いますか?」
「いいや? なんで?」
「…………いえ、…………別に…………」
「……何赤くなってんの? オマエ。」
運河の上にかかる汽車道は、文字通り昔は汽車が走っていた場所で、今も線路が遊歩道に埋め込まれる形で残っている。周囲のビルのライトアップが、きらきらと光って水面に幻想的な影を落としていた。
百目鬼は、先を歩く矢代の後ろについて歩きながら、風に吹かれて淡い光を放つ髪の動きに見惚れた。
今日は、刑事のペア二人、という設定らしいが……安物のスーツを身につけたところで、矢代の人目をひかずにはいない華は隠しようもない。
その証拠に、道をゆく人々が、みな矢代を振り返っていくのだ。
刑事なんて、目立ってしまっては仕事にならない。この人にはもっとも合わない職業のひとつだろう。
しかし、その頭脳と行動力、決断力は、およそ刑事に必要な資質を全て備えている。もしも矢代がその道に進んでいれば、今頃は警察庁あたりに引き抜かれていたかもしれない。
そして、自分も、もし、あのまま警察官を続けていたら……。
もしかしたらあり得たかもしれない未来が一瞬脳裏にちらついて、百目鬼は小さくため息をつき、その夢想を振り払って先をゆく矢代に追いついた。
運河の対岸に渡れば、そこはもう桜木町駅の前だ。その駅の中を通り抜け、野毛の方に抜ける。
「……最後は、こんな寂れたところなんですか?」
「そ。俺もどういう背景かよくわからんけどな……都橋周辺。知らんだろ、お前」
「……いえ。知ってます。……俺の生まれた場所に近いので」
「……そういや、お前、本籍神奈川だったな」
「はい。今はもうそこには誰も住んでいませんが。高校もチャリ通だったので、この辺もわりと」
「あー、、、なんとなく、わかったような気がするわ……」
この野毛に隣接する日の出町、黄金町の界隈は、終戦後に設置された赤線地区、青線地区と呼ばれる公認・非公認の売春区域のうちの、青線区域であった場所だ。
戦後からしばらくの間は、そこで働いていた娼婦は日本人女性が多くを占めていたが、やがてアジアや南米、ロシアなどからほとんど人身売買のようにしてやってきた外国人売春婦が集まる界隈となった。
麻薬の取引なども行われていたため、2005年頃神奈川県警が総力を挙げて町の掃除にかかったが、それまではかなり危険な場所でもあったのだ。
百目鬼がそういう界隈の近くで育ったことと、中学の頃に学校内で性被害を受けたことは、あるいは無関係ではないかもしれない。
それ以上に、朴訥とした印象の百目鬼が、初対面で矢代から受けたセクハラについて、あまり衝撃を受けたように見えなかった理由の一端が、見えたような気がした。
要するに、そういう空気を、最初から知っていたのだろう。
間接的にか、直接的にかまでは、わからないが。
「ハーモニカ横丁、ですね」
「そう。ここを通って、宮川橋に抜ける。なんか、ここだけ、やたら指定が細かいんだよな」
「写真、撮ってもらえそうですかね……」
「ヨッパライくらいしか通らんかもしれんな。でも、一番刑事っぽいんじゃね? 今までほとんどデートコースだったからな」
「あ、カップル来たわ。あの二人に頼もう」
「で、最後がこの橋。……一体、なんなんだろうな?」
「……自主制作映画のロケ場所とか、探してるんでしょうか……」
「まあいいわ。今度はあのおっさんに頼むか。」
「この大岡川も、今はこんな綺麗になってるが、昔は水質汚染がひどくて、相当悪臭放って大変だったらしい」
「そうですね。覚えてます、その頃のこと」
「お前、そのころまだ小学生とかだったんじゃねえの?」
「はい、ですが、川のそばの剣道場に通ってたので。このあたりは、道場が結構多いんです。やはり、荒れた地区だったので、子供達を非行に走らせないように、という地域住民の要請からそういった道場が増えたみたいです」
「なるほどなぁ……じゃ、お前が生まれたのがこの近くでなければ、もしかして剣道もやってなくて、警官にもならなかったのかもしれないんだな?」
「そうですね……そうだったかもしれません」
もしも、なにかが、違っていたら。
もしも、の話は、考えても仕方のないことだ。そう、百目鬼は、心の中で繰り返し浮かぶ問いを否定した
自分にはどうにもできない「もしも」もあれば、自分の選択や失敗で選ばれた道もある。だが、どちらにしても、いかに強く望もうと、時間を巻き戻すことはできない。
それが可能ならば、自分は何を犠牲にしても、あの4年前の倉庫に戻り、今度こそ矢代が傷を負う前に助け出すだろう。
この人が、右目の視力を失う前に……。
でも、それは決してかなわない望みだ。叶わない望みを思う時間があるならば、その分だけ、未来を良くするための努力に費やす。
そう、心に決めていても。
こんな刑事のような格好をして、他人の人生を演じるように街を歩けば、ふと、そんな「もしも」が頭を掠める。
追う者と追われる者。
自分は今立派なヤクザだし、この人も裏カジノを摘発されれば後ろに手がまわる立場だ。
その逆の立場に、もしも、二人で、変わることができるのなら……
この人は、その此岸と彼岸を結ぶ橋を、自分とともに渡りたいと望むだろうか?
「なんか、ちょいオシャレなホテルあるけど(笑)。休憩して帰るか?」
「いえ! …………やめておきます。それより、そろそろ喉乾きませんか?」
「そうだな……とりあえず横浜駅まで戻るか。そこまで行きゃ何かあんだろ」
「横浜でしたら……駅の中ですけど、ちょっと面白いビールを出す店がありますが」
「おっ、いいんじゃね? 食いもんはあんの?」
「まあ、ハンバーガーとか、簡単なつまみですけど……もっとしっかり食べたければ、別の場所でも」
「いや、ハンバーガーがあるならそっちがいい」
横浜駅まで戻ると、百目鬼は、2020年の夏コロナ渦の真っ只中に誕生した駅中施設のエキュートエディション横浜へと向かった。
ここには、横浜DeNAベイスターズが運営するビアカフェ「CRAFT BEER DINING &9」があり、球団オリジナル醸造のクラフトビールのほか、各地の地ビールなども置いている。
矢代はほとんど好き嫌いがないので、酒もどんなものでも楽しむが、今日はよく歩いたからビールが旨いだろう。
それともう一つ、百目鬼が矢代をここにつれてきた理由があった。
「あ、ピアノ……ショパン?」
「誰か弾いてますね。今年の春に、ストリートピアノが設置されたんですよ」
「へぇ……よくあんなに指動くなあ」
弾いていたのは、三十代後半から四十代半ばくらいの男だ。指は動くが、かなり雑な音だ、と矢代は思った。すでに一杯ひっかけて、いい気分で浸っているのかもしれない。
「矢代さん、どれにしますか?」
「そうだな……あ、この、独歩のマスカットピルスにするわ」
「フルーティで甘めなので、きっとお好きだと思います」
「お前は?」
「そうですね…俺はスタウトあたりで」
適当につまみを頼み、今日撮った写真を二人で眺めて笑いながら、仕事後の一杯を呷る。
矢代は甘いマスカットピルスが相当気に入った様子で、結局2杯追加でオーダーして顔を赤くしていた。
「お前は、あんま飲まねえの?」
結局小さなグラスに一杯しか飲まなかった百目鬼を見て、矢代は首を傾げた。
「ちょっと、今日は、これからすることがあるので」
百目鬼の返答は、生真面目で少し固く、上機嫌だった矢代の瞳が、ふと、夢から醒めたような光を宿した。
「……ふーん……忙しいのか。……付き合わせて、悪かったな」
「あ……いえ。そうではなく。酔ってしまうと、やれないことなので……」
「……?」
気がつけば、ショパンを弾いていた男は去り、ピアノの席にはもはや誰も腰かけてはいなかった。
百目鬼はグラスをテーブルに置くと、マガホニーの赤いカワイピアノのそばに寄り、椅子に腰掛けた。
「その……折角俺の誕生日に、1日予定を空けてくださったのに、都合をつけられなくてすみませんでした。そのお詫びに、何かできることはないかと思って……昔少し習ったピアノを練習しました。……聞いてもらえますか?」
「……ピアノ? お前が?」
「はい。……といっても、本当に、素人の真似事ですが」
「……何を?」
「バッハの……カンタータ147番の終曲です」
クラシックか。矢代の眉根が僅かに寄った。
カンタータ147番「心と口と行いと生きざまは」の終曲は「主よ人の望みの喜びよ」の邦題で知られる。
ピアノ版なら、有名なものは、マイラ・ヘスが編曲した、三声のかなりの難曲だ。
「……それは、素人の真似事で弾ける曲じゃねぇだろ」
「いえ、多分、矢代さんが思っていらっしゃるものとは違いますから……」
百目鬼は、ちらと矢代の方を見て、それから鍵盤に視線を戻した。
手袋をはずしてピアノの上に置き、ひとつ、深呼吸をして、鍵盤に指を乗せる。
溢れてきたのは、矢代が聞いたことのない旋律だった。
……これが、バッハ?
でも、美しい。先刻、叩きつけるようにショパンを弾いていた男のタッチとは全く違う。
優しく、慈しむような音色だった。
それに、この旋律は、少しスイングしている。……ジャズピアノ?
その自由な旋律が終わり、次の音を固唾をのんで待っていたとき、その音はまるで花開くように、聞き覚えのある旋律にたどり着いた。
ああ、たしかに、「主よ人の望みの喜びよ」だ…………
原曲は8分の9拍子だが、この編曲はアクセントが小節の頭から一拍ずつずれていくようだ。
途中ジャズらしくリズムが付点になったり、自由な変奏が挟まれたりする。
かと思えば、いきなり原曲の音が戻ってくる。
これは、面白い。
気づけば、矢代は小さく足を鳴らしていた。勝手に体がリズムを刻む。そういう編曲なのだ。
イエスは常に我が喜び
我が心の慰め、我を潤すもの。
イエスはすべての病と苦しみを防ぎ給う。
彼は我が命の力、我が目の喜びにして太陽。
我の魂の宝にして喜び。
ゆえに我はイエスを離さじ
我が心と目の及ぶ限り。
百目鬼は、なぜこの曲を選んだのだろう。
この曲の原曲の歌詞を知っていて選んだのなら、そこに込められた意図は、宗教的なものではおそらくないだろう。
百目鬼も、自分も、決して信心深い人間ではない。
……バチあたりだな。
こんなにも美しい旋律に載せて、こんな公衆の面前で、赤裸々におまえを離さない、と歌う。
まったく、百目鬼のくせに。
音が消えても、矢代はしばらく、何も喋らなかった。
百目鬼が振り返り、少し困ったような顔で、矢代を見上げた。
「……お気に召していただけませんでしたか?」
「……いいや。すごく、綺麗だった。ワクワクした。でも」
一気に距離をつめ、逃げそびれた百目鬼の左手首を掴む。
「……お前、これ、ピアノを弾く指を落としたのか。」
胸が痛い。百目鬼が指を落としたと知ったときにも、痛みを感じた。けれど、これは、それとは意味合いが違う。
あのとき、百目鬼は、一体なにを失ったのだろう。
こんなにも美しい音を紡ぐ指は、この小指の先が欠けていなければ、ほんとうはもっと、沢山の美しいものを生み出すことができたのではないか。
百目鬼は、なかばその矢代の反応を予期していたように、小さく笑みをこぼした。そして、強い瞳で矢代を見上げた。
「……違います。この指が揃っていたころには、この手は何も生み出しませんでした。指をなくしたあとも、俺にとっては、あってもなくても変わらないものでした。……でも、それではだめだと。俺がそういう態度でいる限り、あなたも自分を大事にしないでしょう。……あなたの失った右目を取り戻すことはできないけれど、またひとつ失うのだけは、なにがなんでも阻止したい。………そのためには、あなた自身の協力が必要なんです。あなたが俺の誕生日を祝ってくれるなら……俺は、その約束が欲しいです」
二度と、自ら自分を傷つけるような真似はしない、と。
甘い言葉も、プレゼントもいらない。
ただ、たったひとつ、その約束が欲しい。
……これは、やられたな。
矢代は、しばらく呆然と百目鬼を見つめて、不意に笑い出した。
まったく、あんなヒヨコだった男が、随分と生意気に育ったものだ。
以前だったら、わからなかったかもしれない。百目鬼が、この音楽に込めた切望。
けれど、数え切れないほどのすれ違いを超えて、ようやく互いを理解した今なら、それがわかる。
自分が相手を想うように、相手もまた、自分を想っている、という、至極当たり前のことが。
「しゃーねーな! ま、望むものをやるのが誕生日だし? お前がその不器用な手先をこの3週間必死で訓練してここまで出来るようになったんなら、その涙ぐましい努力には答えてやんねーとな」
手首を掴んだままだった左手の、欠けた小指の先に口付ける。
ちょい、ブロマンス風味を超えたか? まあ、いいか。
「……わかった。投げやりなことは、もうしない。……その代わり、お前も、二度とこういうことはしない、と誓え」
「……それは取引で、誕生日プレゼントにはならないのでは」
「ナマ言うな。じゃあ、俺の1月の誕生日分、先払いで寄越せ」
「……わかりました。それで手を打ちます」
「……お前、マジでクッソ生意気になったな?!」
「あなたの教育の賜物です」
人影がまばらになった駅のサウスコートを、道ゆく人がちらちらと振り返っていく。
さて、相手が欲しいものを与えるのが誕生日だが、こちらがやりたいものを与えるのも、誕生日の醍醐味のひとつだ。
実は、このカットが一番「バディ」っぽいんじゃないだろうか──
そんなことを頭の隅でちらと思いながら、矢代は百目鬼のネクタイを引っ張り、耳元に囁きを叩き込んだ。
「──で、俺は俺で、誕生日プレゼント用意してるんだが、これから家まで、それ受け取りに来る気あるか?」
あとがき。
すんません…横浜駅のサウスコートのストリートピアノでえらい雑なタッチでピアノぶっ叩いてるおっさんを見たときから、「百目鬼ならこんな弾き方しねえ!!」と思っていた腐です…(^^;)
主よ人の望みの喜びよ、はバッハの曲の中でも一番有名な曲のひとつでしょうが、歌詞がこんなエロいとは思っていなかった(<バチアタリ)。
といっても、よく耳にする英語版は、ここまでエロい歌詞ではなく、これはドイツ語版からの邦訳です。
百目鬼が弾いたのは、ジャック・ルーシェ・トリオのコレを無理やりピアノ1本に編曲したものだということで…
もうこの編曲好きすぎて泣く(T_T)
https://youtu.be/9zO_v3HP7Wc?t=1596
ちなみに上は今のちょいカッコイイ百目鬼のイメージで、出会ったばかりのころのウブな百目鬼君はこっちです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=iWeDutnvMu8
同じジャック・ルーシェが弾いてるんだけど、若い頃と年くってからだとだいぶん表現が違うよね、ということで。どっちも好き❤️
最後に、わにたさんとこのドールちゃんつきの写真紹介して逃げます!
すんげえ可愛かった〜〜〜❤️