不幸な事故で左手第四、五指の自由を失い、コンサート・ピアニストを引退したカ ミュ・アストール・ルビエは、友人で音楽ジャーナリストのミロ・デル=リオーネに誘われて、ニースでミロとの同居生活を始めた。ニース音楽院の非常勤講師 の職についたカミュは、現役時代からカミュのファンであった少年イリヤ・リディニークの指導を受け持つことになる。開花するイリヤの才能と、ミロの協力を 得て、カミュは再びピアノに立ち向かう決意をするが、その時彼らを阻害する者達もまた動き始めていた──。
秋吉美和さんの「Aqua Lovers」の設定をお借りし、続編を祥曲星祈が小説化したもの。
第一部上下巻の上巻。