2日前から、なんか臭え、とは思っていた。
しかし、俺は連日会議、百目鬼も昨夜は帰ってきたのが夜10時で、原因を突き止める余裕がなかった。
本日、会議が午前中で終了したので、早めに家に戻って、どう考えてもクソの匂いが家に充満していることに気付く。
いや、やっぱ、なんかおかしいだろコレ。
しかしバスルームは至って普通だ。キッチンの下水も正常。
で、地下室への扉の前を通りかかったときに、強烈な匂いが扉の隙間から漏れていることに気づいた。
地下室、、、、下水か!!!!!
一面水浸しだ。
とりあえずトイレのスッポンで詰まりがとれるかやってみたが、状況は悪くなる一方。
とはいえ、こういう場合にどういう業者を呼べばいいのかからしてよくわからない。
ソレらしい業者に電話してから、うちはやってないだの、今日は出払ってるだの、あちらこちらにたらい回しされること4社、ようやく一社から「すぐに行く」との返答を得た。
(下水管の詰まりを解消してくれる業者は、Emergency Drain Cleaningというのだそうだ)
1時間後、やってきたのは二人組のおっさんと若い男で、若い男の方が、「これはトイレの紙詰まりだ」と断言。
うちのトイレ、前の家主がやたら節水設定にしてて、ヤバいんじゃねぇかと思ってたら案の定だ。
おっさんの方が、トイレの配管から長い管を突っ込んでなにやら機械を回していた。コレでつまりがとれれば、水は勝手に流れる、という。
目的の管まで辿り着くのに少々時間がかかったが、無事詰まりはとれて、水は全部流れた。
が……
当然、紙は残るワケで。
コレも全部大量の水と一緒に排水溝に流してかまわない、というので、バケツに水組んでブラシで押し流して流してる最中に、百目鬼が職場から飛んで帰ってきた。
とにかくどこに電話していいかわからなかったので、オマエの職場仲間にこの写真見せて、どこに電話したらいいか聞いてみてくれ、とLineにメッセージを投げておいたのを忘れていた。
「矢代さん! あなたがそんなことをしなくても……! 俺がやりますから!」
「はぁぁ? 自分のクソの始末くらい自分でするわ」
ま、自分のクソだけじゃなくて、お前のクソもだがな。
どっちも、今更、汚ねえとか言うようなもんじゃねぇだろ。
ほとんど1日おきにアンナコトしてんだから。
(とはいえ、匂いはそれなりでも、固形物が見当たらなかったのはよかった)
それから、二人でせっせとゴミを排水溝に流して、床に洗剤ブチ撒いてデッキブラシで擦って、大量の水で押し流して、ようやく家に充満していたクソの匂いは消えた。
今日は床が濡れてた場所の掃除しかできなかったから、明日はホース買ってきて、地下室の床全面消毒だな。
すみません……俺が、もっと早くに気づいていれば……
いや無理だろ。お前日中ほとんどいねぇじゃん。つか、お前、鼻悪いし(笑)
あ、でも、そのくせ、なんか特定の匂いにはやたら敏感なんだよな。
なんだっけか、花の名前……
マグノリア、ですか?
そう、それ!
……それは、あなたの肌の香りに、少し似てるからです……。
………………………。
………あっそ。