キメツのヤイバとマツタケゴハン

「矢代さん、金曜日の夜、あいてますか?」

 

百目鬼が唐突にそんなことを言うので、マァ、あいてるけど? と返事したら1枚の紙を渡された。

Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba -To the Swordsmith Village

「……コレ、こんなクソ田舎の街にもきたのか……」

「はい。見にいきませんか?」

「いいけど、オマエこーゆーの興味あったっけ?」

「矢代さん、最近わりと日本のアニメ見てますよね?」

「……んー、実は、結婚式んときに世話になったジョナサンが、嬉々として俺にアニメの話振ってくるんだよな。そんなに知らね、とか返したら布教されそうになって、逆にえらいことになったから、もう知ってる、て返す方が楽かと思って。部下の士気保つくらいしか、今の俺の仕事ねぇし。オタクの部下もつと大変だわ」

「そうだったんですか……俺は、やっぱり、矢代さんは強い男が好きなのかと……俺ももう少し修行すれば、強くなれるかと思って観ようかと思ったんですが。なんとかの呼吸、とかいうので強くなれるんですよね?」

「いや、オマエはそれ以上強くならんでいいから」

 

そんなやりとりはあったが、別段金曜の夜にすることもないので、じゃあ話のタネに見にいくか、ということになった。

だいたい、日本のアニメをやるような映画館はもう決まっていて、MarvelシリーズやってるMarcusシアターだ。

 

夜10時だってのに結構人いるな?

でもって、今年はジブリが来るらしい。

夏に新しい映画公開になるからか?

なんだか百目鬼は観に来る気満々のようだ。

オマエ、ジブリ作品好きだったんだ……意外。

百目鬼はIMAXで見たかったようだが(実はオマエもアニメ結構好きなんじゃねぇの?)残念ながらちっこいスクリーンでしかやってなかった。

 

そんなこんなで、まぁ一通り見終わって(百目鬼はなんか兄妹の会話でウルっとしていた模様。こいつ人前では我慢しているようだが実は案外涙脆い、てのは最近知った)俺は腹減って、帰るなり炊飯器のスイッチ入れた。

 

勿論、マツタケゴハン、だ。

モノホンは残念ながら手に入らないので、お約束のエリンギと松茸の吸い物で作るナンチャッテ松茸ご飯で。

 

深夜12時すぎてメシとか、年齢を考えると絶対ご法度なんだが、刀鍛冶の里のメシ尽くしが悪い。

無性にサカナが食いたくなったので、一尾100円のお高い冷凍シシャモも放出。

2号炊いたんだが、百目鬼はおかわりしまくって一晩で釜はほとんど空になった。

オマエほんとに米好きだなー?

結局遊郭編の最後もその前の話をすっかり忘れてて、日本から持って帰った菓子食いながら明け方まで遊郭編のおさらいして、二人で寝落ちた。

……ま、こんな金曜の夜も、たまにはいいだろ。

 

7 thoughts on “キメツのヤイバとマツタケゴハン

  1. まつたけごはん、美味しかったです……
    矢代さん、音柱好きなんですね? この間炎柱のキーホルダー持っておられたから、てっきりそちらのファンなのかと……

  2. だからアレもジョナサンに押し付けられたんだっつーの。
    そりゃ音柱だろ? あの上腕二頭筋ゾクゾクするわー。
    ヨメに行くならやっぱ音柱んとこだよな。
    ちゃんと死なねぇで戻ってきたし。

  3. いやだから、……お前はそれ以上強くならんでいんだけど?
     
     
     
    ……てか、「ちゃんと死なねぇで戻ってきた」の方に反応しろよ、どーせなら。

  4. ……ったく……二人で何チュッチュやってんすか…………?

  5. オマエもね、こんなとこ覗いてないで、さっさとヨメサン見つけろ?
    コッチに来れば、パツキンのねーちゃんいくらでも紹介してやるけど?(笑)

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