キツツキ再び

朝、ドリルみてぇな掘る音が聞こえてきて、夢見心地のところを起こされた。
うーん、なんだっけな……この音……なんか去年もあったような……

 

あ、キツツキだ。
https://moo-and-mole.com/birds/2022/10/06/woodpecker/

瞬間、完全に目が覚めたので、ホウキ持って外に飛び出す。
……が……つつかれた跡はどこにも見当たらない。
そもそも、去年のヤツは、コンコン、コン、コンコンコンコンコンコン！　て感じだったんだが、今日の奴は電動ドリルだ。
多分、種類が違う。
しかし、あんだけつつかれたら外壁の塗料が剥がれてそうなんだが？

 

考えてみたら、早朝に家の周りを見ることなんかなくて、気がついたら、春になっていた。
去年、何もねぇと思って思いっきりトマトの苗植えたとこ、実はチューリップ畑だったんだな。悪かったわ（笑）

百目鬼も外に出てきて、俺よりもうちょっと高い位置から覗いてみたが、やっぱりつつかれ跡がない。

 

「一気に春になりましたね」

「そりゃ、お前がこんなモン買うからだろ？」

 

 

「先の大雪であなたに大変な負担をかけてしまったので……。俺が出勤中に積雪して車を出せなくなることもあるかもしれないので、この際一台あっても良いかと」

「あれから４日、俺が筋肉痛でヤれなかったから？（笑）」

「………そういうわけ……も……あります………」

「素直になったネー？（笑）」

「………職場で、お前が除雪機買ったから、もう今年は絶対降らない、と喜ばれました………」

「だわなーーー！」

 

で、春になるとウキウキソワソワし出すアナグマども（ウィスコンシン人は愛着と多少の自虐を込めて自らをbadgers、アナグマと呼ぶ）を冷ややかな目で眺めていたつもりの自分が、気がついたらこの体たらくだ。

 

 

でもって、これがその結果。

 

 

なんで金網してんのかって？　勿論、ウサギに食われるからだ。

左から、ブラックベリー、ラズベリー、カラント、ブルーベリー、バラ４本。あと東の角に、クコ。

毎日見てると、ちょっとずつ芽が大きくなっていて、結構楽しい。

 

 

「それにしても、あなたがこんなにベリー好きだとは知りませんでした」
「なんかさ、アサイーボウルっての？　食ってみたくて。ヨーグルトとかベリーとかグラノーラとか入ってるやつ。こないだ日本に行ったとき、あれだけ食えなくてさー。あ、あじさいゼリーもか。」

「わかりました。俺が必ず再現してみせます！」

「いや、多分大したレシピじゃねぇぞ？　多分アサイーピューレが最難関だろ。つかむしろ、俺の方が、お前のバラ好きにびっくりしたわ。でかいのはジョン.F.ケネディとピース、だっけ？　白いのと、なんかピンクと黄色が混じったみたいなハイブリット・ティーのやつ。中輪の方の２株は名前忘れた」

「ケネディは、立ち姿というか雰囲気が……ピースは、色が……その、あなたの印象に近いと思って……」

「はぁ？　相変わらず、ド近眼の目だなぁ……。しかも、色、ってナニ？」

「柔らかいクリーム色から、ピンクに変わるフチのところが……その……」

「あー！　わかった、チ○ビに見える、とかだろ？　ほんとスケベ全開だなーお前最近！（笑）」

「いえ！　……唇と、目元、です！！」

「………………あっそ………………(,,・ω・,,) 」

 

 

去年、実が重すぎて横倒しになったリンゴの木、この冬を生き延びられるかは賭けだったんだが、ナントカ生き延びたらしい。
無事、全部の枝に、新芽がついていた。

 

 

「どうやら、生き延びたな。お前の作った支えが効いてんじゃねえの？」

「だと良いのですが。どうしても、助けたかったんです。……凶弾に倒れたあなたを思い出してしまって」

「ソレ、お互い様だから。……ここじゃ、フツーに一般市民が銃持ってるからな。いくらお前が重戦車でも、勝ち目のねぇ戦いに挑むんじゃねぇぞ。ヤバいと思ったら逃げろ。逃げてから考えろ。自分が生き延びねぇと、俺も他のヤツも助けらんねぇぞ」

「はい。でも逃げるときは、あなたも一緒です。俺は、もう二度と、あなたの側を離れないので」

「……バーカ。これから早速出勤で離れ離れの奴がナニ言ってんだ。さっさと支度しろよ」
「……わかりました」

 

とかいって、朝のクソ忙しい時に、庭のド真ん中で３分もキスしてんじゃねぇ！！！

 

まあ、なんというか……。
この国にきて１０ヶ月、英語ばっか喋ってると、色々物言いがアケスケになるわな……と思う、今日この頃。