Program Note
 
 
Saturday, February 7, 2009
 
7巻の主人公は年少組、ということで、この二人に関係の深い曲からご紹介致します。
 
 
 
まずは、通称「雨の歌」と呼ばれているこの曲から。
 
Brahms : Sonata No.1 for Violin and Piano
Henryk Szeryng (Vn.), Arthur Rubinstein (P.)
 
 
まずはシェリングとルビンシュタインの名コンビです。
いきなりハズしてて申し訳ないんですが、この演奏はジョシュアとミロのイメージです。ルビンシュタイン様のピアノが思い切り派手でよろしい(笑)なんか、Amazon.comのコメント欄に、ばよりんソナタなのにピアノが出しゃばり過ぎだとかなんとか文句を書いているオッサンがおりましたが、分かっとらん、と思います。曲のスタイルなんて、演奏が素晴らしければどうでも良い!
 
……が、しかし、ルーファス君の好みはこのピアノではありません(笑)。彼はジョシュアよりもひとつロマンチストなので(笑)
というわけで、多分ミロとカミュがやったらこんな感じ、というのをひとつ。

Yehudi Menuhin (Vn.), Louis Kentner (P.)
廃盤(全集もののどこかに埋もれているかもしれないが、私が買った盤は廃盤。ちなみに、妹のヘフツィバー・メニューインがピアノを弾いたものならまだ手に入る筈ですが、私は持っていません)
 
 
メニューイン様はワタクシ(祥曲)の心の師匠です。多少傷があろうが、ポルタメントが前世紀的だろうが、メニューインは凄いのです(笑)
メニューインは戦前の天才と言われ、戦後は技術力が同世代の演奏家について行かず一線を退いた、とよく言われていますが、音楽の内容は戦後の方がずっと良いです 。やっと平和な時代がきて、とにかく楽器を弾ける事が楽しい、というのが溢れている。あのベートーベンを弾かせても、ですよ(笑)
このブラームスも聞けばわかりますが、とにかく甘い! ヴァイオリンも甘いが、ピアノもかなりベタ甘なのは、上のルビンシュタイン様と比べていただければ納得かと……。まだお子様のミロには、まあ、ちょっと刺激が強すぎてシッポ巻いて逃げてしまったのもむべなるかな、という感じ。
 
ところで、Webの日記の方でもミロが卒業リサイタルで「雨の歌」を弾いてましたが、こっちはパールマンとアシュケナージのペアのイメージです。ミロも大人になったからね(笑)
 
Itzhak Perlman (Vn.) Vladimir Ashkenazy (P.)
 
 
このアシュケナージ様くらいのピアノが本当はルーファス君が目指したかったところではないかと思います。今のミロならカミュの挑発にノリノリで相手してくれるでしょうが、もうブランクあきすぎで指回らないからねえ(苦笑)。はたして、彼の夢が叶う日は来るのか、微妙ですな。
 
実は、まだこの他にズッカーマン/バレンボイム版とオイストラフ/バウアー盤があります。皆様も聴き比べてはいかがでしょう?
 
Pinchas Zukerman (Vn.),Daniel Barenboim (p.)
個人的に、三楽章がお気に入り。
 
 
David Oistrakh(Vn.), Frida Bower (p.)
廃盤 (シリーズものの一枚なら手に入るかも)
オイストラフも好きなのですよ…このCDは悪魔のトリルとか入っててお買い得だったのに。
 
 
 
 
さて、お次は、バッハのシャコンヌです。
シャコンヌ、というのは曲の形式名(舞曲)なので、同名の曲は沢山ありますが、バッハの、といったらまず間違いなく無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第二番の終曲でしょう。
あまりに有名なので、この曲の編曲がかなりあります。ピアノ用の編曲もいくつかありますが、有名なのは、ブラームスによる左手用の編曲(右手は使わない)と、今回出て来たブゾーニ版です。
 
Bach/Busoni : 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より「シャコンヌ」
ウララ・ササキ (P.)
カメラータ・トウキョウ
 
 
何しろ有名な曲なので、録音も沢山あるのですが、敢えてこの方の録音だけ紹介させて頂きます!
というのは、この演奏が、まさに、カミュ・バーロウ君の性格を決めた、といっても過言ではないからです。どうも、「英国」シリーズのカミュというのは私にとって勝手が違いすぎて(いや、サガ=エセルもなのだが……)今ひとつ「この人誰よ」状態だったのですが、彼女のシャコンヌを聴いて、こういうピアノを弾くならカミュと認めてもいい、と……(わけわからん基準ですな、恐らく誰にも……(汗))
ウララさんはベーゼンドルファがお好きなようで、この演奏も本文中のスタインウェイより若干渋いベーゼンドルファの音がしています。しかし、この方のピアノはなんとも楽しそうでいい!イタリアに住んでるとこういう音が出るのかなあ(日本人ですが、イタリア在住歴の方が長いそうです)ピティナのホームページにある、レスピーギの古代舞曲とアリアからシチリアーナの音源を聴いてハマり、CDを買いました。いつか、この曲もバーロウさんに弾いて欲しいですねえ。ピティナの音源はこちらからどうぞ。音源がかなり痛んでるのが残念で、これ、CDにしてくれないかな、と思っているのですが。
 
一方、本家本元、無伴奏ヴァイオリンによる演奏はといいますと、ミロが弾いたバッハはこの演奏のイメージです。
 
Arthur Grumiaux (Vn.)
 
 
実は、このCDには、グリュミオーだけでなく、シェリングとウギのシャコンヌも収録されています。この顔ぶれだったら、普通シェリングだろう!! と突っ込んだアナタは、クラシックFanですね(笑)。それが、何故グリュミオーのこの演奏なのか、は、本文を見ていただければ分かる……と信じたいな(^^;;)
 
Henryk Szeryng (Vn.)
録音年不明 (申し訳ない…今手元に情報がありません。シェリングは何回か無伴奏を録音していたと思います。この録音に興味のある方は、祥曲まで連絡ください)
この人のバッハが入手不能になることは多分ないでしょう。
 
 
Uto Ughi (Vn.)
BMGCD-9H75-09026-60971-2
残念ながら廃盤の模様。実は、シェリングより好きだったりするんだがなあ。ただし、全曲でなくとにかくパルティータの2番があればよい、ということであれば、Uto Ughi Bach Partita とかで検索かければいくつかのレコード店で売っている模様。全曲盤はUsedで1万超えてます。
 
 
 
 
最後に、ルクレールのソナタを挙げておきます。これはあまり話の中で重要な曲ではないのだけれど、ミロが好きな曲といったらこんな感じ、という参考にはなるかと。
これと、ブラームスの「雨の歌」ではやっぱりカラーも曲の内容の濃さも違いすぎます。
勿論、だからといってルクレールが駄目、というわけでは決してないですよ!
 
ジャン=マリー・ルクレール : ヴァイオリンソナタ第3番
フェリックス・アーヨ(Vn.) /エドアルド・オガンド(P.)
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント ASIN: B00005FFKY
廃盤。これも、エックレスのソナタとかパラディスのシチリアーノとか入ってて、いろいろ美味しいCDだったのに……
 
 
そういえば、ジョシュアとミロがルクレールのヴァイオリンデュオをやったのだった! が、折角CDも買ったのに、MacBookにコピーしてくるの忘れた……(TT)
もともとこの曲、和海がYouTubeで見つけて来たのですが、そいつを今もってこようとしたら、なんと著作権違反で削除されてました(涙)あれでCD買っちゃった私みたいなのもいるのに。ホントに演奏家からクレームがついたのか、それともYouTubeが単にマニュアルに添っただけなのか、微妙ですな。(だってYouTubeなんて音質悪いから、気に入ったら普通CD買うと思うんだけどねえ……)
 
しかし、根性で探したら、CDの音源からとったものがありましたので、そこからコピーしたものを代わりに置いておきます。こちらは消されていないところをみると、やっぱ映像がまずかったのか??
 
Leclair- Sonata No. 5 (for two violins)
Parlman, Zukerman (Vn.)
 
 
 
 
Miro & Camus : Brahms, Bach, Luclair