やる気満々

出張から帰ったら、薔薇の木が4倍に増えていた。

こことか

こことか

こことか

こことかだ

正直、アイツがこんなに花好きだとは知らなかった。今日も帰るなり、一度も家に足を踏み入れずに薔薇の世話をしている。

俺ははっきりいって食えるものにしか興味がない。目下の関心は、去年一つも食えなかったリンゴだ。

見事に咲いてくれたが、どうみても開花時期が早すぎて、虫がほとんど飛んでいない。リンゴは他家結実する性質があるので自分の花粉では結実できないため、他の種類のリンゴの花粉をつける必要がある。そもそも他のリンゴの花が咲いている様子も見えないし、虫もほとんど飛んでいないから、今年は無理だろうと思っていたら、今日みたらちゃんと根元が膨らんでいた。

どうやら、今年の秋は、またリンゴが食えそうだ。

4月下旬まで、どうにかすると霜が降りたりミゾレが降ったりで、庭仕事をする隣人の姿もみかけなかったが、5月に入るとタケノコのように庭に人が生え始める。
人だけじゃない。知らん間に、とんでもないものが生えている。

雨水を貯める貯水タンクだ…。向かいの家の傘子地蔵二人組が置いていったものだろう。買う気でいたからありがたいが、なんか礼をせにゃならんな。

冬の間に地下室に放置していて目が出てしまったジャガイモは、立派に育っている模様。
どのくらいで収穫できんのかね？　こいつら。
子イモができたら、オーブンで焼いて食うか。

ところで、これまで２年間、草刈りは百目鬼が手動芝刈り機でやっていたんだが、この２年ちゃんとプロに芝の手入れをしてもらったら、育ちが早くてとても追いつかなくなってきたので、ついにRYOBIの電動芝刈り機を買った。
正確には、ホームセンターでやたらデキルスタッフに捕まった、というのが正しい。
買っても置く場所がねぇ、とボヤいていたら、それを聞きつけて、ささっと寄ってきてプレゼン三昧だ。
曰く、

• 折りたたみ式なので、コンパクトに収納できる
• 電動で、電池パックはRYOBIの他の商品にも使える
• 電池式は本体が軽い
• 自走式なのでハンドルを握ってついていくだけ

ちなみに、RYOBIはこっちでは「ライオビ」と発音するらしい。最初は何を言われているのかさっぱりだった。
芝刈りといえばガス式かと思ったが、今はもう断然電池式を推す、とのこと。まぁ、プロがそういうんだから、そういうもんなんだろう。

というわけで、早速使ってみる。

なんだコレ、メチャクチャ楽じゃねーの？！
何がイイって、膝丈まで伸びた芝も刈れるのがいい。手動のやつは伸びすぎると全く使い物にならんからな。
気に入って全部刈ってしまったら、百目鬼のやつ、なんだか寂しそうな顔をしていた。
どうやら自分がお役御免になったと思っているらしい。
安心しろ。もう飽きたから次からはオマエの仕事だ。

 

で、動画の最後に出てきたコレ、なんだが。

実は、前日に、ウサギが子ウサギ用の巣を作っていた。

しかし、翌日には、何モノかに掘り返されて、中の子供はいなかった。それなので、芝を短く刈ったら、その後に母ウサギが戻ってきて子ウサギを探していた。

なかなか、せつない。
……子ウサギ食ったの、俺じゃねぇからな？！

 

 

……そんなわけで。
5月に入ったとたん地元民がウキウキとホームセンター通いをし始めるのを、どんだけやる気満々なんだよ、と半ば呆れながら眺めていたはずが、気がついたら、どこもかしこも同じ穴のムジナだった。

……まぁ、自然が呼ぶ、ってヤツだな。