SCRIABIN: Nocturne for the Left Hand
John Bell Young
http://www.classicalarchives.com/work/174000.html
サンプル音源の聞き方はこちら
※演奏はJohn Bell Youngか Benjamin Moserあたりが比較的おすすめです
お久しぶりでございます(^^)
今回は、只今Web連載中の「Memory of Music」から収録曲をご紹介しようと思います♪
さて、当サークル(s●orzatoが今でも一応祥曲星祈の個人サークルです、、一応)の発行物はAirでカミュがオルガンを弾いているのを除いては、これまで殆ど弦楽器もしくはオーケストラもので通して参りました……何故かというと、私がピアノ曲をあまり知らんからです(爆)。ピアノは一応、形だけは高校終了までやってましたが、そもそも練習嫌いの上に、何故かほとんどピアノ曲に愛を感じなかったんですね(汗)。ショパン大嫌い、ベートーヴェン大嫌い、当時はブラームスも嫌い、モーツァルトも嫌い、好きなのはバッハとドビュッシーだけ!そりゃ、やる気も起きんわな。というわけで、形だけ一応続けてはいたものの、ピアノものをやろう、なんてのはハナから頭になかったわけです。
ところが、高校の時に知る人ぞ知る「翳りゆく〜」シリーズでクロイツェル・ソナタにハマり、当時ヴァイオリンは家にあったものの弾けなかったので、仕方なくピアノパートを練習してみる事に(笑)。親はそりゃもう驚きましたとも。いきなり、あれほど嫌いだと言い続けてきたベートーヴェン、しかも、何故ヴァイオリンソナタのピアノパート?!(笑)勿論、練習不足のワタクシにそう簡単に弾ける曲ではなく、かなり必死でさらいました。……で、さらってるうちに、だんだん鍵盤の良さが分かってきたのですが、その頃には親元を離れる時期が来てしまい、ピアノのない生活に。その後、大学のオーケストラ部に入り、弦楽器は少々触れるようになったので、必然的に話のネタはオケものと弦楽器ものが増えていきましたが、一向にピアノのレパートリーは増えませんでした。
そんな折、秋吉美和さんの「Aqua Lovers」を拝見して、「指の動かないピアニスト……めっちゃツボかも!!!」とか思ってしまったのがそもそもの事の起こりでした(^^;)。
しかも、設定では、Aqua~のカミュはショパン弾きだと仰る!!!
私の鬼門、ショパンです(笑)。
でも、カミュが弾いていると思えば、別の魅力が見えてくるかも知れない……<シマ
そうして、秋吉さんご推薦のニキタ・マガロフのショパン・ワルツ集とノクターン集を買い、来る日も来る日もそれを聴いて過ごしました(当時の指導教官が寛容なクラシックオタクで、二人でプログラム書きながらiTunesで一日中流し続けていた(爆))。そうすると、いやはや、見えてくるではないですか、ショパンのやらしさ魅力が!!
そして、一度ショパンの良さが見えて来ると、それまで管弦楽曲には劣ると思っていたブラームスのピアノ曲が、俄然艶かしく素晴らしく聞こえてきます。
シューマンも、ピアノはなあ……と思っていたのに、今ではPコン(Piano協奏曲)のエロさ格好よさにメロメロです♪
ああ、サン=サーンスのPコンも忘れてはいけない! 何故かほんっとに知名度低いですが、はっきりいって、チャイコンやグリーグよりも素晴らしいし、楽しいし、曲としての完成度も高いと絶対思う!
(ま、でもサン=サーンスのPコンはバーロウさん向きですけどね♪)
そもそも、私がサークルを立ち上げたきっかけというのは、クラシックで星矢をパロる!!で、その遂行すべき使命は、一人でも多くの方にシマを通じてクラシックのFanになってもらおう、というものでした(コレ、本気)。
何故なら、私自身が、「翳りゆく〜」シリーズで、それまでキライだった弦楽器の魅力を知ったからです。弦楽器が好きになり、数々の名曲を楽しく聴けるようになった時、本当に世界が何倍にも広がった気がしました。
その感動を、皆様にも味わっていただきたい!!!というのが動機ではありますが、もう一つ、重要なのは私自身の世界の拡張です……なんたって趣味ですから(笑)自分が楽しくないと。。。
そんなわけで、私にとって、「Aqua〜」の設定を「Memory~」で継承する事を許してくださった秋吉女史は、龍王院先生に継ぐ、第二の恩人なのであります(^^)。
既にいくつか、この先出て来る曲は決定していますが、その他にも現在進行形で名曲を発掘(いや、既に有名なんだけど私が知らないから私の中では発掘)していきたいと思っていますので、もしピアノ曲に詳しい方がおられましたら、是非是非コメントなりメールなりで教えて下さい!!!
……と、なかなかスクリャービンの話にならなくて申し訳ない(^^;)。
スクリャービンも、私にとっては殆ど未知の作曲家でした。というのは、後年のちょっと現代入った管弦楽曲のイメージが強くて、敬遠していたんですね。
ところが、今回、カミュからミロに何か恩返しをしてもらおう、と考えた時、片手のためのピアノ曲を探していて、この曲に遭遇しました。
聴いて、驚きました……コレ、ほんとに片手なの?!!!!
しかも、なんか、すごいロマン派くさいんですけど?!!!!
そんでもって、強烈に甘いんですけど?!!!!!!!
こんなん一ヶ月もかけて練習して、「お礼」とかいって弾かれたら、オレがミロなら鼻血吹きます!!!
(秋吉ミロはそんなカッコ悪いことはしないと思うので、ミロ・デル=リオーネは鼻血吹きませんが)
うーむ、聴けば聴く程ヤバい……(汗)
これって、言葉で言うとか(何をかは分かってるよね…)キスするとかより、よっぽどやらしくないですか?!(死)
この演奏、John Bell Youngさんという方で私は知らなかったのですが、とりあえずiTunesで30秒だけ聴かせてもらえる試聴3種類と比べると、かなり情緒過多な感じはしますが、私は結構好きです(^^;)なんか若くて。
多分、カミュはここまではやらないだろう、と思いますが……
(もっと透明な感じがいいな。あくまで、節制を持って。でも、たまに箍が外れる……ってのがベスト<おい)
実は、有名な左手ピアニスト、ラウル・ソーザのアルバムも買ったのですが、そっちよりはこの人の方がいい、というのが私の印象です。勿論、ソーザも技巧的には上手いんだけど……なんか体育会系なんだよなあ(笑)ノクターンなのに。。。
もっとも、Youngさんの方が30秒もよけいにかかっているので(つまり遅い)、ピアノが弾ける人が聴けば、もしかすると技術的な都合が見えてしまっているのかもしれないのですが、少なくとも素人耳にはそんな都合は聞こえないです。しかし、ホントにこれを、左手一本で……(以下同文)
さて、詳細は本文を見て頂ければわかると思いますが、カミュがこの曲を弾いているのは左手ではなく右手です。
以下、ほとんど、インターネットからの受け売りですが、実は右手のための曲というのは殆どありません。
所謂名曲となると、皆無に等しいかと思います。
(有名なブラームス編曲のバッハのシャコンヌ、ラヴェルの協奏曲も左手用です)
ちょっと考えると、圧倒的に利き手の多い右手の方が少ないというのはヘンに聞こえるかも知れませんが、これは実は和声の構造、ピアノの構造、手首の構造という3種類の構造が絡み合った結果です。
和音を美しく響かせるためには、どうしても低い音がベースになります(わざと効果として高い音だけで和声を構成することもあるけど、非常に繊細、あるいは不安な感じになります)。従って、片手で低音から高音まで含む響きを作ろうとすると、低音を厚くオクターヴなんかで響かせておいて、その響きが残っているうちに高音に音をバラまく、という感じにならざるを得ないんですね。
で、ご存知の通り、ピアノは左手側に低音がありますから、右手でこの低音の和音を響かせようとすると、強く小指側に手首を捻らないといけない形になります。単音ならいいのですが、オクターヴや幅の広い和音を弾こうとすれば、どうしてもそうなります。で、やったことがある方は分かると思いますが、これがかなり手首の負担になります……親指側に捻るのはあまり負担がないんですが。
そもそも、ピアニストの手の故障で一番多いのは、オクターヴの連打で壊すケースです。ただでさえこわし易いところへもってきて、無理な方向に手首を捻ってそれをやるのだから、如何に不利かは想像がつくかと思います。
いっそのこと、左右反転ピアノを作って、右手で左手の曲を弾いちゃえ!!!(笑)
なんて方法もあるのかもしれないんですが、それじゃあまりお話になりませんので、一応、この先カミュ・ルビエ氏は左手のリハビリもやります(笑)
やっぱり、片手の曲もいいけど、両手のカッコイイ曲をいっぱい弾いてもらいたいですから(^^)
それでは、今回のSalonは何がなんだかわからない内容になってしまいましたが、どうぞお楽しみ下さいませ (^^)。