☆1ere Gnossienne

これから一ヶ月かけて、過去の完売物のpdfをnovelsに上げていきたいと思います。
第一弾は、とりあえず、まだ2巻が残ってる Gnossienneから(笑)。


このシリーズは、自分が耽美系作家の端くれだと思い込んでいた(笑)遥か昔に始めた、スイス・ギムナジウムを舞台とする学園ものです。小さいけど強かな国、スイスをネタに、真面目に書きたかった事もあった筈なのですが、なにしろ年数が経ってしまっている上に、設定資料をなくしてしまったので、今では何を書きたかったのかおぼろげにしか覚えていません(爆)。
このシリーズの裏テーマは、実は、とにかくヤオイと当時呼ばれていたモノ(今でも言うんですかね? もう死語??)のヴァリエーションを極める、というところにあったのですが、結局、それがあまりに重すぎる枷となって途中で筆が止まってしまいました。
同じ学園もので、「英国」シリーズと重なっている部分もかなりあり、「英国」が落ち着くまでは手が出せないでしょうが、いつかまた続きを書く気になるかも知れません。
実はこのシリーズのカミュがどうも軟弱で気に入らないんですよね……昔はこんなのがよかったんだなー自分、と、ちょっと不思議です(笑)。
構成だけは決まっていて、最初のショートストーリーが「Gymnopedie」のタイトルで、登場人物の過去ストーリー、つぎに本文が続き、最後のショートが「Gnossienne」、で、このGnossienneで裏テーマを完遂する、ということになっていました。つまり、ぶっちゃけ、Gnossienneという本のタイトルの割には、問題の「Gnossienne」はなくても話が通じる(だって山なしオチなしイミなし、ですから(笑))ということになっていたわけです。
で、今回のpdf化にあたって、ですが……
スミマセン、「Gnossienne」は削らせていただきます(平伏低頭)。
いや、もう、アレは、お蔵入り以外の道が思いつきません(冷汗)。
昔書いたヤオイがこれほど恥ずかしいとは……(汗)
(何がハズカシイって、滅茶苦茶コジツケな設定とやたら美化してるところが見てらんない(汗)いや、若かったなあ……)
一万歩譲って、もし気力があれば、必要最低限にその手のシーンを減らして、話だけ辻褄が合うように書き換える、という手もありますが……もう、はずかしくて読み返せない状態なので、よっぽど「アレを公開してくれ!!!」という突き上げが来ない限りは、やりません結局公開しました……↓。

というわけで、以下、当時の後書きから抜粋です。
あの当時のノリが分かって、かなりアイタタタな感じですが、これも当時の雰囲気を醸すにはいいかもしれんと開き直って載せてみます。


1ere Gymnopedie
<前略>何とか蠍座ミロになって頂こうと、せっせと暗い過去を用意したんですが・・・結局「夜想曲」で壊滅しました。やっぱりうちのミロは天秤座か牡牛座だわ。(著しく蠍座の定義を間違っているようだが、要するにちょっと繊細でミステリアスな感じになって欲しかったのだ。)こんなことになるんだったら、一巻では絶対に解決し切れない伏線なんか張りまくるんじゃなかった。(ちなみに1ereというのは仏語で第 1番目の、とかいう意味です。)これで 2巻以降が出なかったら『何やミロ受やりたかったんか』で終わってしまいますね。来年の夏は頑張ろう(笑)。
もっとも、カミュに出会ってひたすらカミュの為に前向き人間になる!というのがこのミロの設定なので、ドロドロに暗いのは某サガ氏に任せればいいんですが(笑)。
題のジムノペディはこのシリーズの裏テーマ、エリック・サティの佳曲です。これは御存じの方も多いでしょう。
意味は古代ギリシャの祭典『ジムノペディア』(これが何でも、青年が裸になってオリンポスの神々に踊りを奉納する祭りなんだそうだ)にちなむとか、ギリシャ語で『裸の子供たち』という意味の言葉をもじったとか諸説ありますが、祥曲は後者のつもりで書きました。「思い出空間」の「子供たち」といったイメージがぴったりのピアノ曲です。
一番最初に演奏の指示がありまして、それが”Lent et douloureux”「ゆっくりと、痛ましげに」演奏せよ、とのこと。こんなまともな指示は彼にしては珍しい。彼は作曲家であると同時に詩人でもあったんですね。同じくピアノ曲「干からびた胎児」の中には、「歯痛を持つ夜うぐいすのように」ソフトに演奏せよ、なんてのがある。何も知らなきゃ、狂ってると思いますよ。(実はこれは彼お得意の皮肉。)彼の詩集が出ているというので是非本文にはそれを使いたかったんですが、生憎時間がなくて手に入れられませんでした。代わりにバイロンとヘッセを使わせてもらいましたが・・・なかなか切なくていいでしょ? 前々から、いつか使ってやろうとねらってたんです。
<後略>
三つの夜想曲
全く話に関係のないタイトルでごめんなさい。(タイトル考えてる暇がなかったのよ例によって。)本当は、『間奏曲』の方が似合っていたんだけど、ちゃんと調べる余裕がありませんでした。本当にサティがそんな曲を書いてるかどうか。「全てサティの曲名で片づける」という目標をあきらめるかどうかで散々迷って、結局「意味が壊滅してもサティでかたをつける」ことにしました。曲名から借りる方が簡単なように思えるけど、案外融通きかないんだ、これって。
この『夜想曲』、本当は3つでなく5つからなる作品で、第 1曲が「やさしく、しずかに」、第 2曲が「単純に」、第 3曲が「やや動きを持って」で第 4曲が「神秘的に優しく」、第5曲はコメントなし、という構成になってるんです。
サティは「神秘的」で「限りなく優しい」というのが好きなようですが、ストーリーには全く合っていませんでしたね(汗)強いてこじつけるなら、ミロとカミュのお互いへの思いやりが脆い程に「優しい」と(笑)。一応彼等は14才という設定なので、まるでガラスのような恋愛をしても許される年でしょう。怖い程に透き通ってて、非妥協的で、壊れる時には自分も相手もその破片で傷つけずにはおかないというちょっと幻想的な恋。世の中の全てが深刻になってしまうあの年頃だからこそ出来る恋。<中略>
傷心のクリスタル先生は、もう出てこないかな。クリスタルパパがカミュの上級生になってしまったのは、彼が老けているせいです。ありゃ、どう見たって弟子の方が年上だって。その他は 2巻以降主役の座を奪いかねない強豪ぞろい。 サガ・シュラは言うに及ばず、ミー様やパン様の陣営にカノンちゃんやデッスー(シュラの兄という設定)も加わってさぞかし賑やかになることでしょう。何てったって目標は『全員参加』ですから(笑)。ジュリアン君もミロに絡んでくれます。ああ、二巻の後書きが見える・・・『・・・これって一体誰が主人公なんだ 』(泣)
ストーリー中の音楽用語について。もはや洪水と化したおたくな音楽用語の海に閉口した方も多いと思いますので、用語説明つけます。<中略>
フーガ:
曲の形式のひとつ。いくつかのメロディ(主題旋律)がさまざまに変化しながら絡み合ってひとつの曲になる。
コラール:
元々は教会の賛美歌のことだった。今はそれらしく聞こえるものも指す。
フォルテ・シ・シモ :
fff。フォルテが三つだからとてつもなくフォルテに。
アルペジオ:
分散和音。和音を一度に弾かずに順番に一音ずつ弾いていく。
ポジション:
オーケストラやブラスバンドでは同じヴァイオリンでも1番と 2番、ホルンならば 1番から 4番までのパートに分かれて別々の旋律を演奏する。どこを受け持つかはそれぞれの適性に合わせて選ばれる。(決して上手だから 1番を受け持つという訳ではないんだよー トップ奏者、つまり一番のレギュラーは確かに上手な人が多いけど。でもホルンなんかはセカンドが一番難しいとも言われています。)
和声音感:
要するに、和音をきれいに演奏する感覚のこと。これがないとせっかくの美しい和音も目茶苦茶。
トレモロ:
細かく音を刻むこと。トリルと違って、音を変えずにやることが多い。
アダージョ:
ゆっくりと、という意味。
<後略>

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