犯人(妊娠原因の)をそのまま野放しにしておくわけにもいかず、オレンジ一人、隣の県の浸水にあったマリリンの所へ島流しにする事となる。
幸い、浸水後の殺菌作業に無毒性の薬品が見つかったこと、本当に心からうさぎの到着を待っていてくれている事、などから取り合えず、妊娠の恐れのある娘三羽ではなく、玉ありの方だけ連れて行くことにする。
プチの手術後、軽いパニックになったエセルが近所のクリニックに四羽全てを連れて行き、健康診断と称しながら妊娠の有無を恐る恐る確認した。
結果、妊娠していてもしていなくても、避妊手術もしくは去勢が行えるのは生後半年後との医師からの回答を得る。そして、その日から娘達には強制ダイエットが施行されている。
小一時間の車での旅を終え、国道沿いの田舎道を進んだところにマリリンの家はあった。
中では彼女のボーイフレンドとその友達もいて、お手製のウサギ小屋に案内される。
果たして、それはウサギ小屋ではなく、ウサギ城だったのだが……ジョージとスーが絶賛していた訳に納得する。
以前は衣装ダンスだったという物を5年も掛けて改造したと言うこの世で一つきりのウサギ小屋。真ん中には自由に仕切り板が入れられるようになり、最高六羽のウサギ収納可能。
各階の床には穴が開けられ、移動用の階段ならぬ階板が渡されている。最下層にはトイレを収納するための穴とセットされた巨大なトイレタブ。敷き詰められたチップ。床材。これら全てウサギが食べてもいいようにナチュラル素材で作られ、床板の部分は水洗いOKのタイル加工がされている。
エセルは写真を撮り、感激し、青写真とその城の材料まで貰って帰宅。
作ってくれなど言出ださない事を期待する。