Theme No. 1 Tomaso Vitali ”Chaconne”

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VITALI : Chaconne in G minor
Bin Huang (Vn) / Hyun-Sun Kim (p) シャルリエ編曲版
http://www.classicalarchives.com/album/747313596027.html

サンプル音源の聞き方の説明はこちら

 記念すべき第1回は、あまりにも有名なこの曲から参りましょう(笑)。VitaliのChaconneは、Sforzatoの2作目「シャコンヌ」で登場しました(←昨年再販したのでよかったら御覧ください…と宣伝(^^;))。古くからのミロ・カミュFanの皆様は、あのM山さんの名作「虹のシャコンヌ」で曲名をご存じかも知れません。たいていのバロック名曲集には入っているこの曲、実はVitaliが作曲したのはほんの1フレーズだけで、その後の編曲により大変有名になりました。そんなわけで、かなりの数の編曲が存在しますが、イチ押しはやっぱり一番有名なシャルリエ編曲版です。

  シャコンヌというのは、スペインに起こった舞曲が紀元の変奏曲です。バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番の終曲などが有名ですが、神々しい、荘厳な曲想を特徴とします。パッサカリア(これも8小節程度のテーマを展開する変奏曲)と非常によく似ています…というか、未だに私はこれらの違いがわかりません(^^;)。シャコンヌの方はもとは舞曲ってことで、優雅さがポイントになるのかしら? シャルリエ編曲版は文句無しに荘厳で、ピアノパートが実においしい! ピアノだけ弾いててもほんとにきれいで、ラストのメインテーマに還ってくるところなんか、めっちゃ豪華でいい気分になれます(笑)。でも、それだけに、ヴァイオリンと合わせるのにはちょっと一苦労。ついピアノだけで気持ち良〜く弾いちゃうと、ヴァイオリンとうまくかみ合わなくて崩壊します(爆)。ピアノの側には結構自制心を要求される編曲かも。ヴァイオリンはガンガン歌ってかまわない曲だと思いますが。やっぱ、コレがうまく合わせられるのは愛の成せる技よね♪ とチョイシマに走ってみたり。
話のなりゆき上、カミュがヴァイオリンを弾いてサガが伴奏になっちゃいましたが、ホントはミロに弾いてほしい曲です。伴奏はやっぱりカミュ先生にお願いしたいですね(←少年バージョン。大人なら、逆でもいいかも…伴奏ピアニストのミロ…なんか賢そう…うっとり(*^^*))

 私とVitaliのChaconneの出会いは、NHKFM(ラジオ)の朝のバロックでした。当時、朝のバロックの案内役は黒田恭一さんで、この方のおすすめは私の趣味に大変よくマッチするのですが、Chaconneも例にもれずというか、シェリング(Vn)とチャールズ・ライナー(p)の組み合わせで来たときはホント全身総毛立ちました。シェリングという人は、決して美音の人ではないのですが、それゆえにかヴァイオリンの音色に溺れる演奏は絶対しないんですね。バッハ弾きで知られた人なので、感情的な演奏もしないんだけど、コレに関しては抑えても抑えきれぬ情熱と申しますか、それをあの清純な音色でやってくれるもんだからホントに切ないのですわ…(T_T) そして、それを支えるライナーのピアノがまた良い!!! 決して出しゃばらず、最後まで縁の下の力持ちに徹するのですよ…ただ1度だけ、全体に短調のこの曲が長調に転調するところがあるんですが、そこだけ自己主張するところがまた良いんですね(^^)

 しかし、なにしろ古い人なので当然当時出ていたのはLP。しかも既に廃盤でした。どうやら今調べたら、武宮恵子の「変奏曲」LPにこの二人のシャコンヌが入っていたらしいですね(笑)どうりで(同人屋に)知名度あるはずだ、このペア(笑)。

 そこで、「コレ、CDになってないの?!」と何年もレコード屋を彷徨った皆様。朗報です! 2003年4月現在、Amazon.co.jpでシェリング/ライナーの世界初のCD版が買えます!!!(2002年1月発行なのでいつまであるかわかりません)も〜今調べてびっくり!!! 神様ありがとう〜〜〜〜!!! 

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005UD32/qid%3D1049857088/250-2709211-6714610

途中の改行は無視して飛んでみて下さい。

 さて、シェリングの話ばかりしてご登場頂いたサンプル音源の二人が気の毒な状態になってしまいましたが、こちらの演奏もなかなか良いです(^^)。Naxosは、あまり世界には知られていない演奏家(でも地元ではそれなりに評価を得ている)を積極的に採用してるんだけど、これがまたいい演奏が多い…売れるかどうかではなくて、いい演奏かどうかをちゃんと判断してCDを作ってる、って感じです。名前が売れてる演奏家というだけで、たいして良くもない演奏が当然のように3000円以上で売られてることを考えるとスバラシイ!ホント。全盤視聴可という豪快なサービスもイケてます(^^)。Naxosの回し者ではありませんが、こういうサービスは是非継続してもらいたいですし、将来のある演奏家さんたちを支える為にも、どうか気に入ったら買って聞いてくださいね(http://www.naxos.co.jp/に通販方法が書いてあります)。このHuangさんという方、私は知らなかったのですが、大変清々しいというか、とても娘さんらしい演奏で、最近(かどうかは知らないが)中国はいい若手がたくさん出ているなあと思いました。ピアノもよく合わせてますし(^^)。

 さて、いったい何のホームページなんだかわからなくなってきましたが、Salonだからいいや〜♪ ってことで、このへんでお開きに致します(^^)。

 本日は、わざわざのお運び有り難うございました。

2003/04/13 (枝の主日)
支配人 祥曲 星祈

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