Theme No. 2 Camille Saint=Saens ”Symphony No.3″

glass-fower-purple.gifSAINT-SAENS: Symphony No. 3
Slovak Radio Symphony Orchestra
Keith Clark, conductor
http://www.naxos.com/mainsite/NaxosCat/Naxos_Cat.asp?item_code=8.553277&memberID=

サンプル音源の聞き方はこちら

 随分時間があいてしまいましたが、2曲目はカミーユ・サン=サーンス作曲交響曲第3番「オルガン付き」で参りたいと思います(^^)。英国寮生物語1でスクール・オーケストラが練習している曲です。はっきりいって、十代の学生にはかなり荷が重い曲ですが(大学オケだって滅多にやらない…)まあ、そのへんは目を瞑っていただくことにして(^^;)

 この曲は、サン=サーンスの代表作なんですが、いろいろ規格はずれで面白いんです。まず、オーケストラにパイプオルガンという組み合わせ。パイプオルガンという楽器は実は管楽器の集合体で、それだけでオーケストラみたいなもんなんですが、この派手な音色を持つ楽器をオーケストラの中に組み込んでしまおう、という発想がデカイ(笑)。普通に考えたら、音量、音色どっちをとってもオルガンにオーケストラがかき消されちゃうと思うんですが、サン=サーンスは非常にその使い方が巧いんですね(^^)。実際、かき消されてるんだけど、それが非常に印象的な効果になっています。実のところ、オーケストラ+オルガンという交響曲はまだあるんですが、この曲ほどそれが成功している例は他にないんじゃないかな(多分)。オルガンのかっこよさはもう折り紙付きで、これが弾けるなら魂売ってもよい、と思っている人は少なくないハズ……?!ネックは足鍵盤ですね。自分で書いてて、マジ13歳でこれを弾いたカミュが羨ましいっす(T▽T)(←バカ…)
有名なのは最後のPrestoですが、2番目のPoco Adagioでもオルガンが登場します。こちらは、フルー・ストップというフルートみたいな柔らかい音色を使います。教会のミサとかでもよく使われるストップですね。このPocoAdagioの美しさといったら、ホント、涙なしには聞けないっす…(T▽T)全楽章の中で、唯一と言ってよい弦楽器の見せ場。弦楽器奏者が命賭けるところですね(笑)。シオン・ハーシェル氏はほっといても火事になりますが、ここはサガ・チェトウィンド氏にも静かに燃え盛ってほしいもんです。スカしてないで(笑)(でも、一生懸命情熱的に弾いても、どうせロスは聴いちゃいないんだけど)。ミロは…サガにかじりついてるのがやっとかな(笑)。
2番目の面白い点は、曲の構造です。普通、交響曲といったら第1楽章から第4楽章(時にはそれ以上)という構成が多いんですが、この曲は2楽章しかないの。でも、それぞれの楽章が、第1部、第2部、と2つに分かれていて、演奏時にはこの楽章の中の2つの部分はattacca(間をあけずすぐに次にいく)で入ります。だから、別の楽章にしたくなかったのかもしれないけど。それから、やたら拍子が変わる。特に第2楽章第2部。拍子が変わる曲も、近現代では珍しくないですが、それが嫌みにならずに絶妙の効果になってるところが凄いところです。
泣かせどころは、やっぱり「難しい」ってところですかね…(T▽T)
まず、1楽章の半拍遅れの刻みが合わない!入りが遅れる! そして、2楽章以降の、管にかき消されてどうせ聞こえないのにやたら細かい音符…(T_T) 一度オチると入りがわからなくなる変拍子…トラップ満載(涙)。

 私の持ってるCDは、デトロイト交響楽団のなんだけど、このサンプルのスロバキア放送交響楽団(かな?)の方が学生オーケストラっぽいかも。ちょっと1楽章走って危うく崩壊しそうになったりとか(笑)でも、そういう技術的なところが少々追いつかなくても、非常に演奏が丁寧で、やりたい事がはっきりしていて、私はこういう演奏好きです(^^)。1楽章2部は本当に綺麗! 個人的には最後はもうちょっと燃え盛ってもいいかと思いますが(笑)、ああいう静かに美しいのもアリかな、と…。多分この年のコンマスがシオンじゃなくてサガだったらこんな感じにまとまったかと。第2楽章1部は、そんなに殺人的に速くはないので、がんばれば弾けるかな、という感じ。ティンパニがめちゃカッコイイです。最後のPrestoは重厚なオルガンの音が最高! 是非視聴してみて下さい(^^)。

 それでは、本日はこのへんで(^^)。

追伸:どうも、たまにサーバーの調子が悪いようです。その際は、時間をおいてお試し下さい。

 

2004/07/29 (ローベルト・シューマン没)
支配人 祥曲 星祈

コメントを残す