昨日は結局5時間近くもミロと話して(Skypeだからいいけど)、通話を切ったら既に明方だった。
シャワーを浴びたら変に目が覚めてしまい、新聞を取りに外のポストへ。配達されたばかりの朝刊を取り出したら、白い封筒がその隙間から滑り落ちた。
そういえば、昨日はポストを確認しなかった、と気付き、拾い上げて差出人を見たら、サガ先輩からだった。
「金曜日は本当に有り難う。楽しかったよ。あまり役に立てなくてすまない。
お陰で、ロスは本当に吹っ切れたみたいだ。
土曜日の朝、いきなり人に抱きついてきたかと思ったら、あのロスが声を殺して泣いていた。
それから本当に久しぶりにアーチェリーの道具を担いで出て行ったよ。
何か、君との会話で思う所があったんだろう。
流石にびっくりしたけれどね。
それで、昨日、家に戻ったら、ブラームスのピアノ協奏曲1番のチケットが2枚テーブルの上に置いてあった。
この日程はロスは裁判が入っているし、どうしたのかと思ったら、『カミュと一緒に行って来たらどうだ』とのこと。
手紙なら自分で出せば良いのに、住所がわからないの何のと理由をつけて、自分で書くのはどうにも照れ臭いらしい。
これはロスがお礼にわざわざロイヤル・アルバート・ホールまで行って買って来たものだから、是非受け取ってやってくれ。
一応二枚とも送るよ。ミロが戻って来られるかも知れないから……」
終わりには、サガ先輩の流れるような筆致のサインと、「酒美味かった、またよろしく!」との走り書きがあった。
…思わず笑いがこみ上げてきた。
なんとかして一筆書かせようとするサガ先輩と、嫌がるアイオロス先輩の攻防が目に見えるようだ。
…まあ、昨日の一件は、確かに自分も少々尖り気味だったし、愚痴は散々ミロにぶちまけてすっきりしたし、これで腹の虫を納めるとするか。
エインズワース、お前は一体幾つになったんだ? 犬・猫の方が余程躾が身についておるわ!
大戯け者め!!
サガ先輩、カミュ、折角落着した所に済みませんね。一度書き込まれると、こちらでは削除が出来ない様なので…
まずは、先だっては美味しい食事と御酒をご馳走様でした。
そして、先の「シオン様」の発言は、脇に隠したつもりにして置いておいた、最後に飲むのを楽しみしていたカミュ秘蔵のシャトー ラベゴルス マルゴー‘92を知らぬうちにシュラ・アイオロス両先輩に空にされた事を恨んでの発言ですので、お気になさらず。