実家から、電話が来た……。
父は銀行員で元来朝型のため、私が帰宅する頃には両親とも休んでいる事が多く、あまりお互いに電話をすることはなかったのだが、何故か平日の夜だというのにかかってきた。
何事かと取り上げてみれば、母から一言。
『ルーファス、あなたエレンさんともう一年も前に別れていたのですって? お父さん部長さんからいい縁談をもらったのに、貴方にはもうお付き合いしている女性が居るって断ってしまったのよ? とても品の良さげなお嬢さんだったのに』
………。
思わず絶句していると、受話器の向こうから弟の声が聞こえた。
『だからさ、兄貴やっぱ女ダメなんじゃないの? あれだけ女のコにもてるくせにちっとも色気のある話ないしさー。きっとまだあのパブリックん時のダチが忘れられないんだって。母さんは知らないだろうけど、マジやばい雰囲気だったぜ?』
『よしなさいフィル、品のない』
どうやら、弟が余計な事を母に言ったらしい……。
とにかく、今はフリーになったばかりでとても家庭を支えられる状態ではないので、当分その手の話は断るよう言いおいて、無理矢理受話器を置いた。
……全く……(溜息)。
大体、何故兄でなくこちらに縁談を持ってくるのだろう?
順番からいっても、兄のジェームズが先だ。銀行員で、収入も安定しているのだし。
……父はともかく、母はどうやら薄々感づいているようで、最近なにかと探りを入れてくる。
いつまでも隠しておける事ではないが、一体、何時どんなタイミングで切り出したものか……。
decafのコーヒーを飲んで早々に寝るつもりが、すっかり目が覚めてしまった。
Hee-haw!!!
色男!
弟にバレてるのか!(大笑)
いっその事、性転換手術でもしてミロに嫁に貰ってもらえ!!(大爆笑)
そうしたらご両親も諦めがつくだろう!(くっくっくっ…涙)
カミュ…。
オレが、ちゃんとカミュの御両親に会って話そうか…?
いや、話すべきだよな……。
オレとしては、カミュには縁談なんて断って欲しいし…、カミュさえ良ければ、一生側に居るつもりだし…(いや、居させて欲しい)。
ちゃんと、将来の事も含めて、遊びで付き合っているわけじゃありませんって、やっぱりきちんとけじめ、つけて置いた方がいいと思う。
カミュは、やっぱり御両親にオレが話したら迷惑?
ほっといて下さい!>先輩
弟に知られるような事をした覚えはありませんが、あれは先輩のような性格なので、そういう事に鼻が利くんです。
>ミロ
いや……(汗)この場合、話してけじめがつくかどうかはかなり微妙なんじゃないか?(汗)
お互いまだ身分も安定していないし、けじめの代わりに火がついても困るので、もう少し様子をみよう……
(厄介なことに、どうも母は私の子供を見たがっているらしい…多分三人の中で一番私が彼女に似ているからだろうが)
………。
この場合…、オレも見てみたい…とかって、言っちゃいけないんだよな……………。
だからさ…………。
何遍も、何千回も…、何万回も……。
…………以下自粛。
(溜息)
まあ、御両親のお気持ちはお察し致しますね。
それとは別に、今年の合宿の部屋割り担当、私が仰せつかっているのですが、サガ先輩はご参加できそうなのでしょうか?
最終確認のメールが届いておりませんでしたので、こちらから失礼致しました。
本当に、お前さん達は面白いのう!
退屈せんだろう?(大爆笑)
まあ、どう頑張ってもサガもカミュも今から胎盤は造れんだろうから、目指すんならゾウリムシの用に分裂するか、昨今流行のなんとかバンクーとかにお世話になるしかないんじゃないかの?
わっはっはっ!
ドウコ先輩…また酔ってますね?
ムウへ、
連絡遅れて申し訳ない。合宿は出席するので宜しく。
カミュへ、
そうだな、私も母に嘆かれるのが一番辛いよ。そのうち年を取って、自然に諦めてくれるのを祈るしかないだろう……
それにしても、ミロとカミュの子供ならそれは綺麗で優秀な子が生まれるだろうに、見られないのは残念だな。
…………(頭痛)
あのな……、サガ……。
そもそもお前の、その仮説からして根本的に成立しない、空論にもならんゴミ以下の前提(もはや前提とも定義したくない)なんだよ(怒)
一回、その脳味噌死海で洗って人生出直して来いッ(罵)!!!
カノン、兄に向かってその口の利き方は無いだろう?(にっこり)
大丈夫だよ、エセル♪
俺とお前の子供だって十分綺麗で優秀で気立てのいい子供だから♪♪♪