奇妙な休暇

イタリアまで行って、楽器を弾きまくって、帰ってきた(苦笑)。


それなりに充実した休暇であったことは間違いない。
なにしろ、一日七、八時間はピアノを弾いていた。こんなのは12月の本番直前以来だ。
お陰で、随分と鈍っていた指の動きも取り戻せたし……
しかし、何故か(というかお互い合わせる気がなかったからだろうが)、ミロと徹頭徹尾起床時間が合わなかった……
事の始まりは、ローマに着いた初日の事件だ。
(おそらく)アイオロス先輩から届いたイースターエッグのお陰で、一悶着あった。昼のうちに散々運動(?)をして、それなりに体力も消耗したのと、休暇を取るために少々立て込んだスケジュールをこなしていたから、寝不足もあってその日は夜早々に眠くなってしまった。
そこから、サイクルが狂い始めた。
私が先に寝てしまったのに、ミロの方は眼が冴えて明方まで眠れなかったらしい。
翌日の土曜日、ミロは午後六時に起きてきた。
ミロも寝不足だったのだろうから、まあそれは致し方ないにしても、夜まで寝ていれば夜に眼が冴えるのは当然の事だ。だが、こちらは朝8時に目が覚めていたから、とても先方の要求に付き合ってはいられなかった。
結局、午前二時くらいにはどうにも眠くてダウンした。
馬鹿げた事に、このすれ違いは三日間埋まらず、昨日ローマを出る時もベッドの上のミロに「それじゃ」と挨拶して出てきたような具合だ。ミロはイースターだから、と随分色々計画を立てていたようだが、肝心の本人が日の高いうちに起きて来ないのだから仕方がない。
あいつ、あんなに夜型だったか?
去年はこんな事はなかったのに、と考えて、はたと思い当たった。
去年は、私も、(夕方までとは言わないが)昼くらいまで寝ていたのだ。
朝起きても、ミロは寝ているし、音を立てて起こすのも可哀想なので、無理矢理二度寝していた。
今年は事務所にピアノがあるので、目が覚めたらさっさと下に降りてしまう。
………。
ちょっと、可哀想な事をしたかな、と反省。
(それにしても、ミロは明方まで一人で何をぼんやりしていたのだろう? 特に寝室を離れる様子もなかったし……まさか、朝までひたすら眠れずに悶々としていたのか?)

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