先週、どういうわけか体が無生に重く、仕事に穴を開けるわけにも行かなかったので早寝早起きを試みた。
一方のエセルは俺とは逆に昼出勤深夜帰りの毎日。
金曜の晩、かかり切りだった案件を取り敢えず忘れてエセルと久しぶりにたっぷり汗をかく運動をするが、目が冴えて眠れない。
エセルはもう限界と言ってとっとと自分だけ寝てしまうし、時間を持て余し、以前買ったまま読んでいなかった本など読んで時間を潰す。
午前10時過ぎ、やっと眠くなってきたので、二、三時間眠るつもりで寝室に行ったら夕方の五時になっていた。
そして、久々に熱で体の節々が痛いという風邪を引いた。
この日の晩にはエセルと映画を見に行くつもりだったが、あえなくキャンセル。
頭痛に何度も寝返りを打っていると、いそいそとエセルが寝室に入ってくる。
温湿布、
温かい飲み物、
果物、
お粥、
乾いた下着、
などなどなどなどなどなどなど
明らかにこの状況を楽しんでいる。
仕舞いには、「風邪の時は独りでゆっくり寝るのがいいんだ」 などとぬかしておやすみなさいのキスなんぞ残して客用、というより殆ど倉庫と化しているようなデンに置いてある簡易ベッドで就寝する始末。
日曜も結局うとうととして過ごす羽目になって本日に至る。
風邪を引くのは仕方がないとしよう。俺だって人間だ。
しかし、風邪を引いた俺の周りを、それは楽しそうにくるくると回っているエセル、お前の頭ン中は一体どうなってるんだ?
そんな、嬉しそうだなんてことはないよ?
………(笑)
だって君、風邪でもひかなきゃ、大人しく人の言うことなんて聞かないし……
まあ、でも、治ってよかったじゃないか。
ちゃんと、(悪戯をせずに)きちんと寝たからだろう?(笑)
いーや。
もの凄く嬉しく、楽しそうだったよ、お前。
俺の風邪が治ったのは、自然治癒であって、お前が付き合ってくれたらもっと早く直ってたね。