ちょっと、唖然。

大体夜の11時頃にロンドンに電話をかける。
その度に、「ちゃんと食べているか?」と聞かれ、カミュの方のメニューを聞くと、きちんと品数も内容もそれなりのものを食べているようなので、久しぶりに今日はきちんと料理をしてみた。


鶏の手羽先とラディッシュを煮て大根おろしをかける。
さっぱりしてるし、野菜もたんぱく質もある。
これで電話で自慢出来るだろう、そう思って真面目に小さなコンロの前に立ち、縄のようになっていた大根と萎びていたラディッシュの皮を剥き、冷凍してあった鶏肉を解凍した。
鶏肉は、それ自体から油が出るからカチカチに熱した鍋に入れたらその油が出るまで弄るなと昔カミュに頭をはたかれたので、鍋をガンガンに熱して、肉を放り込んで、ちょっと油が出るまでメールをチェックした。
そして、気付いたら、油ではなく真っ白くて苦い煙が鍋からむくむくと出て、部屋の中が真っ白になっていた……。
肉を救い、焦げ付いた鍋をたわしで擦ってもまだ白い。
口の中が苦い。
窓を開けても煙はなかなか逃げていかない。
こんな時に扇風機でもあればいいのだけれど、あいにく扇風機は一昨年の夏から壊れたままだ。
予定の三倍くらいの時間が過ぎて、昼食用に作ったはずの食事にありついた。
夜、まだなんとも言えない部屋の臭いを噛締めながら電話をする。
毎日たわいも無い事を話している。
春からヒートアップしていたロスの合衆国熱が今が盛りとなっている事。
シチリアの家の話に乗ってくれたシオン、ドウコ、ムウの事。
リアもロスに無理矢理話を噛まされた事。
等々。
と、突然、カミュの声が半オクターブくらい突然上がって、
「Hi, Sweetie! Thank you!」
と電話口で言われた。
は????
カミュ、誰と話してるの??
俺の事??
でも、なんで突然???
あんまりびっくりしたので、「どうしたの、カミュ?」
と尋ねると、
「あぁ、プチだよ。今足元に来て挨拶してくれたから」
との事。
………………………。
うん。
いいんだけどね……。
カミュが凄く面倒見が良くて、世話焼きたがりだって知ってるけど……。
元気そうだし、楽しそうだし、かわいがってるみたいだし、
全て、問題ないんだけどね……。
いやー……、
初めて聞いたわ、カミュの口からそんな言葉。

One Reply to “ちょっと、唖然。”

  1. カミュ・ルーファス・バーロウ より: 返信

    そうかなあ?<sweetie
    動物相手には結構言うと思うけど……
    (昔獣医にウサギを連れて行ったときも先生はそう呼んでいたし)
    ところで、携帯にちょっと細工をしておいたんだけど、気付いた?(笑)

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