ある夜の電話

ミロから、「本当に大丈夫か」と電話があった。


何が「大丈夫か」なのか、と真面目に聞き返してしまったが、先方は相当に驚いたらしい。
曰く、「かなり野性味の強いウサギのようだけど、ちゃんとなつきそうか」という心配をしているのだ、とのこと。
悪いとは思ったが、思わず吹き出してしまった。
何十倍も大きな体の人間に媚びを売らず、好きなように自由に生きて、
ちゃっかり、食事のときだけ後ろ足で立ち上がって可愛い仕草を見せて、
満足したらまた好きなように遊び回って、
まるっきり、お前と同じじゃないか、と。
そんな事で可愛くない、と思うようなら、お前とこういう関係にはなっていないと思うんだが?(笑)
家に帰れば、生き物が待っていて、
たとえ真っ暗でも「ただいま」と言える、
それが、こんなに心地よくて暖かいものだとは思わなかった。
有り難う。
小さなウサギを迎えるきっかけを作ってくれたこと、心から感謝しているよ。
そう言おうと思ったけれど、少々気恥ずかしくて、「お前とそっくりだな」とだけ返しておいた。

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