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五月の良い陽気になったので、エセルを連れて植物園に行った。


大学付属の植物園で、年に一回プレーリーを野焼きする規模の植物園だ。
夕方六時半から始まる、ボランティアによるガイド・ツアーに参加。
良い陽気、なんて言ったのは誰だ?!
ってくらい冷たい風吹く夕刻になった。
見れば、集まってくる常連客は皆、「五月」だと言うのに、マフラー、手袋、毛糸の帽子に防寒ジャケットという重装備。
二人居たガイドの一人のみ、シャツの上にベストという軽装。
いや、一番の軽装だったのは、うちのエセルさんだったんだが……。
お昼頃に起きて、「今日はいい天気だね〜」とのんびりお茶を頂き、
うさぎとの交流を楽しんだ後、
にこやかにアパートの前に止めた車に乗り込んで来たエセルさんは、シャツの上に薄いカーディガン一枚、という軽装。
脂肪という天然の防寒装置をお持ちでないエセルさんは、ツアーが始まる前から既に凍りかけている。
「帰るか?」
「NO」
「…………」
仕方が無いので、車の後ろに積んでいたタオル(窓拭き用)を首の周りに巻き、俺が羽織っていた革のジャケットをその上からきっちり着せて、ツアーを完遂した。
わけの分からん草の名前や、食えもしない木の名前と解説に嬉々として聞き入るエセルの心理は理解に難いが、ツアー客の中でも、やっぱりダントツに一番うちのが美人だ♪
帰りに24時間開いてるスーパーに行ってステーキ肉を買ってもらった。
それなりにいい一日だ。

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