八月初旬から、トイレの外に小便の水溜が出来るようになった。
掃除の度に、一日一回、床まで水拭きをしなくてはならなくなり手間がかかって仕方が無い。
一体誰の小便だ? とエセルと話をするに、やはりえせるだろうという事になった。
今年の春でうちに来て五年。うちに来る前に飼い主に捨てられた経験のあるえせるの実年齢は、六歳と半年程。そろそろいい年だ。最近では体の筋肉や肉が削げて、撫でると骨にごつごつ当たる。
それに、
でかいハムがトイレの真ん中に陣取って牧草を食むと、えせるはトイレの箱の隅にしがみつくようにして牧草を食べるしかなくなる。
えせるが粗相をする分には仕方が無いか、と黙々と掃除をする事一ヶ月。
本日未明、偶然にもトイレの前の黄色い水溜りの犯人を目撃。
ハムだ。
掃除をして、新しい牧草を入れてやったリッターボックスからデカイ尻をはみ出させて、音を立てて気持ちよく放水。
何事もなかったのようにポリポリと草を食い続けている。
エセル、やっぱりコイツは軒下にぶら下げて皮で手袋でも作ろう。
えせる、ごめんな、濡れ衣で。お前はやっぱり最高の淑女だ。
……私もえせるを疑っていたよ……
あの子は、悪気はないのだけれど、ちょっと雑なところがあったから……
そうだったのか……。
でも、(うさぎの)ロスだって、ちゃんとトイレでしているつもりなんだよ……。
足はトイレに乗っているのだし、お尻がはみ出ているなんて気付かないんだよ、きっと。
彼には、ちょっとリッターボックスが小さすぎるのかな……。
(溜息)