自戒

思いがけない誕生日プレゼントを貰って、問答無用で自分がカミュに大事にされていると実感したはずなのに、写真を見たぐらいでぐらつく自分がなんとも……。
ぐうっ、と飛行機の座席に沈み込む。


朝、カミュの朝食の準備をしてからアパートメントを飛び出した。
朝靄が立ち上り、弱い朝日をさらに霞めていた。
イーストミッドランドの空港まで、ロンドンセントパンクラス駅から1時間45分。イングランドの中心部にあるノッティンガムは自然が豊かな学生の街だ。電車の中には大きなバックパックを担いだ観光客も散見される。
空港でチェックインを済ませると、時間は10時過ぎ。
まだ、寝ているかもしれない。
今日の仕事は昼から深夜までだと言っていたから。
携帯電話を取り出して、カミュの番号を呼び出した時点でまた携帯を下りたんでバックパックのポケットに仕舞う。
それから、特にする事も無く、売店で新聞を買って読んで時間を潰す。
やっと機内の席に着いて、飛行機が離陸して、本当にする事が無くなった。
すると、どうしても昨日の事が頭に浮かび上がる。
どうして、もっと余裕を持ってカミュと接することが出来ないのだろう……。
アイオロスの、口の片端だけを上げたニヤリとした顔が、「ガキ」とオレを笑っているようだった。
こんな年になって、ガキも無いものだけれど……。
……くそ……。
今年のクリスマス、絶対にカミュを驚かしてやる!
目を閉じて、オレは計画を立て始めた。

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