家を出るにも、具合の悪いことが重なっている……。
先の日曜日に、子ウサギたちの二度目の体重測定をした。白黒のブチが一番大きいと思い込んでいたのに、すっかりオレンジと大きい方の茶色に抜かれていた。
体重増加は、白黒が30g強、茶色が60g強。
白黒が頻繁に外に出て来て乳を強請っていたので、この子が一匹だけ大きくなり乳を吸いつくしているのだろうと思っていたのだが、どうやら本当にお腹がすいていたらしい。
一番貧弱で危惧していた小さい茶色の子は、40g少し増えていたが、まだ体重は一番軽い。
えせるの時と異なり、小さな体のプチでは一度に一匹を授乳するのがやっとのようだ。それで、どうしても力の強い子ばかりが乳をもらうことになる。
仕方なく、またプチを押さえつけて白と茶(小)に乳を飲ませた。当分、体重増加をみながら弱る子がないようにローテーションを組む必要がありそうだ。
暴れるプチを押さえつけるのに四苦八苦していると、(人間の)アイオロスが隣から覗き込んで来て、上機嫌で「手伝おうか?」などと言って来た。
結構です。邪魔だから陰を作らないで下さい。
そっぽを向いてそう言ったら、プチに派手にひっかかれた。
もとから背筋はあるが、子育てして更に背筋が強くなったようだ。
一方、父親の二代目ロスは、先の火曜日に去勢手術を終え、意外に元気だと思っていたらここ数日元気がない。うちにきたばかりの頃の、どこか悲しげな瞳に戻ってしまった。
ホルモンの供給が止まって、体調がよくないのだろうか。
ペレットも食べるし、草も食べているのだが、どこか心ここに有らず、といった感じだ。
(人間のロスの方もこのくらいしおらしくなれば、少し考えてやらないでもないのに!)
えせるは、漸く調子を取り戻しつつあるようだ。なにしろ年齢がいっているので、悪化する時は急でも回復するには時間がかかる。漸く、少し腸の動きが活発になってきて、ふんが大きくなり、毛が混じるようになってきた。この調子で、胃にたまった毛が全部出てしまえば良いのだけれど……。
とにかく、三匹(?)三様、どの子も目が離せないので、今引っ越しをするのは少々現実的ではなくなってきた。せめて、子ウサギ達が独り立ちしないと、えせると(うさぎの)ロスに気が回らず体調を悪化させかねない。
しかし、あとひと月もすれば、湿度が高くなってくるから、それはそれで環境を変えるのは良くないし……
(人間の)アイオロスは、相変わらずのんびりと人のする事を眺めている。どうせ、ウサギの事で簡単に引っ越しなどできまい、とたかを括っているのだろう。
お生憎様。
必ずこの家は出ていきますから。
自分の荷物も、少しずつ宿舎に運んでいるし。
アイオロスとの共同口座に入れている給料も、全部自分の個人口座に移したし。
さて、今日は何を新居に持って行こう?