またポロニウムが検出された。
今度はロンドン市内のイタリアンシーフードレストランとの事。
１１月に発覚した元ロシア連邦保安庁（ＦＳＢ）中佐アレクサンドル・リトビネンコ氏の変死事件から一ヶ月余り経過したが、動機、犯人像ともに二転、三転して未だに固まっていない。
現在は、ロシア人ビジネスマンによる犯行説が浮上しているようだが……
ポロニウム自体は、100万分の１グラムで致死量に達するという猛毒放射性物質とはいえ、合法で手に入れようとすればそれだけで1000万ドルする代物で、そう簡単に手に入るものではない。
発生放射線はα線だから、紙や衣服でも簡単に止まるし、体内に取り込みさえしなければ闇雲に恐れる必要はないんだが……
ちょっと、今日は仕事帰りにイタリアンでも食べにいくか、と思っていた気分が削がれてしまった。
まあ、ドライトマトも山ほどあるし、ミロに教わったベジタリアン・パスタでも作ることにするか。