手紙

サガから、気違い沙汰の手紙が来た。


大体、あいつが電話ではなく長々と手紙を書くような内容は、ろくな内容であった試しがない。
しかも、家でなくご丁寧に職場へ送りつけてきやがった(怒)
家の執事、ひいては親父やお袋に知られたくない内容であるのは見え見えだ。
勿論そのまま暖炉の火に焼べてやる気満々だったが、生憎、クリニックの暖炉はこの冬リニューアルされて電気式になってしまった……
チョロチョロと火が燃える映像だけが見えるインチキ暖炉では、勿論紙は焼けない。
仕方なく終業後に開封し、目を通してみた。
その内容ときたら………!!!!!!!
思わず、「FxxK YOU!!!」と絶叫してしまったが、クライアントは皆帰った後なので許して貰おう(院長は驚いていたが)。
そりゃあ、あのアイオロスの勘違いぶりを見れば、遅かれ早かれ何か言ってくるとは思っていたが……
爵位の継承権を放棄したい、だと?!!!!!!
テメエ、俺がなんだって幼少の時分からアメリカに一人追いやられたのか、ホントにわかってんのか?!
ついでもって、お前が放棄したら俺が継ぐしかないってのも、実は分かってないだろう?!
この、すっかり心はアメリカンな俺が!!!!!!!!
馬鹿野郎!!!
下らねえ寝言言ってないで、とっとと家に戻れ!!!
でもって、適当に彼氏持ちの姫君と結婚して、お互い浮気条約結べ!
百歩譲って、将来の跡取りは俺んとこで生産してやる。お前は形だけ結婚して、家に収まりゃいい。アイオロスとも遊び放題だ。簡単だろが?!
怒り心頭で電話したが、奴の携帯は留守番電話に切り替わってしまった。
まさか、居留守じゃねえだろうな、兄貴?
とりあえず、家を継ぐのは、絶対、死んでもお断りだ、と吹き込んで電話を切る。
当分、奴からの電話は取らねえぞ!!!

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