親愛なるミロへ。
ハロウィーンの贈り物、わざわざありがとう。
昔から君が器用なのは知っていたけれど、今回はそれでも驚いたよ(笑)。
自分で縫ったのかい?
えせるとプチには少々重そうだったので、ロスに試着してもらったのだけれど、ハーネスを嫌がるので緩めに締めたせいか、Helloween専用ハーネスではなくてマントのようになってしまった。
多分、君が意図した形ではないと思うけれど、一応、写真を送るよ。
カミュからは、美味しいパンプキンパイとワインのボトル、小さなガラスのジャック・オ・ランタンが届いた。天国のロスに、とカードが添えてあったよ。
二人してウサギにプレゼントを贈ってくるなんて、君達はやはり全く違うようで似ているね。
そういえばもうすぐ君の誕生日だね。
こちらには戻ってこないのかい?
p.s.
写真のジャック・オ・ランタンはアイオロスが子供用のカボチャくりぬきツールを買って来て掘ったものだよ。玩具みたいなツールなのに、ナイフより細工がしやすいと驚いていた。
エセル、こんなおもちゃみたいな道具で彫れるのか、と驚いていたのはお前だろうが……(溜息)
言っとくが、俺はプロだ。
ハロウィンのかぼちゃ彫りごときで何を驚くことがあると言うんだ?
あ、そっか。確かお前、寮でかぼちゃ、そういや彫ってなかったか。(俺が彫ってやったんだもんな。代わりに。うん、そうだった。納得)
かぼちゃはね、あんなちびのツールでも、十分に彫れるの。
それで、使えないものを何十年も形も変えずに売り続ける企業は無いんだよ、世の中。
何事にも存在理由があるものなんです。
なんだ、兄貴、カボチャも掘ったことないのか?
アメリカのガキはたいがい一度や二度は掘ってるぞ?
しかし、このウサギ、まるっきり肉用だな。
先代の方がもうちょっと愛玩用らしかったんじゃないか?
ピーターラビットみたいで。
……いや……
実は、パブリックの第四学年の時に機会はあったんだが……
あのときは、ただの果物ナイフで掘りにくくて、指を切ったのでアイオロスに代わってもらったんだ…(溜息)
ミニ・サテン種はれっきとした愛玩用だ!! ……まあ、もとになったハバナ種は肉用だったらしいけれど……
それにこの子の毛は天国のロスの毛ように柔らかいよ。目もそっくりだし。
ドワーフだった先代ロスは確かにお伽話に出てきそうな美男子だったけど、大きな子は表情も大らかで可愛いよ。
一度お前も見においで。