また……?

アメリカから戻ってきて、あちらでの果てしなくジャンクフードに近い食生活(ちゃんとレストランで食べていたのだが)に少々疲れ、少しまともなものを作ろう思っていたら、丁度友人のブログで、お勧めのレシピが掲載されていた。


白身魚の焼き物にかけるパプリカのソースの作り方だった。
ブログに上がっている(友人作の)写真はなかなか色もきれいで、美味しそうだ。
買い出しに出かけると、たまたまsole fish (舌ヒラメ)の切り身が安かったので、それを二枚、赤のパプリカを2つ仕入れる。
白ワインは家にあるし、あとは生クリームだが……ここで一考。
生クリームのソースは、少しなら美味しいのだけれど、大抵最後は持て余すのだ。
そういうわけで、レストランに行っても、つとめてクリームソースのものは頼まないようにしている。
ミルクで代用できないかな? と考えて、結局買わなかった。
……と、思えば、ここがそもそも間違いの始まりだったのだが……(汗)
まず、パプリカを細かく刻んで水から煮る。煮え立たせないように、との事。a pinch of salt (塩少々)も忘れずに。
何故沸騰させてはいけないのかよくわからないが、とりあえず、火加減を弱にしてその間に掃除機をかけた。
かけおわって鍋をみると、パプリカの甘い匂いがしていた。色もきれいだ。
成程、あまり煮立ててしまうと、この香りが飛んでしまうのかも知れない。
指でつぶれるほどの柔らかさになったら、水をきり、ミキサーにかけてピュレにする。そのあと裏ごし。
……と、ミキサーを出して来て、その場で硬直した。
しまった……! ミキサー、壊れていたのじゃないか?!
正確には壊れたというより、スライサーの刃がはずれなくなったというべきなのだが、刃がはずせない、ということは、ミキサーに交換できない、ということで……
結局、仕方なくマッシャーで潰した。
そうすると、皮が残る。裏ごしにかけるからこの程度は目をつぶろう、と思ったが、いざ裏ごしにかけようとすると、まだ塊が大きすぎてちっとも通らない。
もう、かなり出来上がりの姿からかけ離れてきたな、と思いつつ、裏ごしを諦め、ベースを作りにかかる。
白ワイン100CCとブイヨン1つを合わせて煮立て、1/4まで煮詰まったら生クリーム200CCを入れ、更に半分になるまで煮詰める。
生クリームを買ってこなかったので、ミルクを1カップ入れて、入れながら、あっ、とあることを思い出した。
ワインには、酸味がある。牛乳のタンパク質は、酸と合わせると凝固するのだ。その反応は、温度が高いと促進される……(汗)
はたして、ワインの中の牛乳は見事に凝固した(悲)。
仕方なく凝固した部分は捨てたが(このカゼイン+酸による凝固物はプラスチックの原料にもなるそうだ)もともとカゼインは牛乳のタンパク質の80%を占めるもので、これを捨ててしまったら牛乳を使う意味が殆どない。
固まらせないためには、双方をよく冷やしておいて合わせるとよい、ともいう。両方を煮詰めたものを冷やして合わせればよかったのだろうが、時既に遅し。
もう殆ど諦めつつ、裏ごしされていないパプリカを合わせると、かなりゴツゴツした感じのオレンジのソースの中にたまにとり切れなかった凝固物がまじっていたりして、はっきりいってかなり美しくない……。
まあ、それでも、誰かに供するわけでなし、と諦めて舌ヒラメを塩こしょうで焼き、つけあわせにインゲンとポテトを茹でて、ソースをかけてみた。
見た目は、友人のブログにあった写真とはほど遠い……というか、同じレシピで作ったとはとても思えないが……
幸い、味は悪くなかった(安堵)。
パプリカの味と香りがかなりきいている。調味料は塩くらいしか使っていないが、それで十分芳醇な味になるとは、少々驚きだ。インゲンなどの野菜にも合う。
見た目さえなんとかできれば、来客用のレシピに加えてもいいかも知れないが……
もう少し、修行が必要だな(溜息)。
なんだか、こうも失敗続きだと、料理が下手になったんじゃないか、と思う今日この頃。

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