本日、HRSの会合があるというので、ジョージの家にロスを連れて出かけた。
玄関まで出迎えてくれたジョージに、挨拶をして、報告を一言。
「プチですが……矢張り妊娠していました」
ジョージは、文字通り言葉を失って息をのんだ。
「本当に? 信じられないな……彼を手術したのはSusan Brownなのに!」
「ええ、ですが、診断をして下さったのは、Dr. Paul-Murphyなので……」
「ああ、ごめん、勿論信じるよ、でも驚いた!」
Dr. Brownは、実は、ウサギ愛好家の中では所謂Big Nameであって、HRSの会員でもある。ウサギに関する手術法など、彼女が開発、改良したものも多いと聞く。勿論、Dr. Paul-Murphyもエキゾチック・アニマル専門の高名なドクターだ。
「ドクターによれば、精管切除手術は手術後に繋がってしまうケースもあるとのことですが…」
「うん、そうだけどね……でも、それにしてもなあ!」
当然、Dr. Brownはそれを知っているだろう。だから、そういうことのないように手術したはずなのだが、と言いたげな様子だ。
「とりあえず、すぐに去勢手術の予約を入れました。11日が手術日です」
「ああ、それはよかった。手術代はHRSに請求してね」
「いえ、それは結構です。アダプション料金はHRSへの寄付だと思っていますから。それより、里親探しが問題なのですが……」
「ああ、それは勿論、HRSで必ず良い里親を見つけるから、大丈夫だよ」
とりあえず、その言葉でひと安心した。HRSは、会則で、個人からの里子を引き取らない事になっている。里親がどうしても見つからなければ、地域のシェルターが里親探しを引き継ぐ。そのシェルターで、どうしても里親が見つからず、安楽死の決定が下される期限が迫っているウサギの時間を、文字通り「買う」ことが、HRSの第一の使命だからだ。(それゆえ、HRSのシンボルマークには「11th hour in animal shelters」を示す時計が一緒に描かれている)
それなので、私は密かに「シェルターに連れて行ってくれ」と言われる事を怖れていたのだが、有り難いことに、その場に居た会員全員から、「皆でサポートしますから」と励ましの言葉を頂いた。
当面、子供達の記録と会員への連絡で忙しくなりそうだ。
あとは、プチが無事に何事もなく産んでくれれば良いのだけれど……
巣は作ったものの、お腹の毛を抜く素振りは見せない。
まあ、えせるも、生んでから抜いて子供達に着せかけていたようだから、あまり心配はしていないが。
会合では、イースターに向けて、ペットショップなどでアダプションの説明をするボランティアを募っていた。
酷い事に、イースターのイベント用にウサギを買い求め、イベント終了後に捨てたりシェルターに送ったりする人間がいる。そこまで悪意はなくとも、子供にせがまれてイースターのプレゼントとして買い与え、数ヶ月で子供が飽きてシェルターに送られる例も後を絶たない。
一方で、きちんと正しいウサギの知識を伝えることで、ウサギの良きオーナーとなってくれる人を探す良い機会でもある。そのため、数年前から、イースターが近づくとこのようなイベントを行っているらしい。
微力ながら、私も時間のある時に参加することになった。
会合は、今後、二ヶ月に一度開く予定だという。次はアイオロスも連れてくるかな?
(多分嫌だと言うだろうけれど……)
※(管理者注:HRSの詳細についてはBBSを参照)