英国寮生物語人物紹介(web編)

最近このホームページにお越しの方のために、「英国」シリーズのwebの人物紹介を致します。
「英国」シリーズは、ミロ・カミュがパブリックスクールを卒業するところで終了の予定ですが、web上ではその彼等の10年後の日記を上げています。



ミロ・アーヴィング・フェアファックス Miro Irving Fairfax
1973年11月8日生、1987年入学。
ニアソーリーの農場出身。父親はもとスコットランド系貴族、母親はやはりイタリアの名家の生まれ。 FairfaxのFairの語源になったFinにはもともと白色金髪の、という意味があり(ケルト)、Fairfax全体で「金髪」の意。117期のスクール・オーケストラのバイオリン奏者。
スミス寮出身。
卒業後は、ローマ音楽院のヴァイオリン科へ進学するが、二年目に事故で右腕を故障、ヴァイオリンを諦めざるを得なくなる。このとき、付き合っていたカミュと半年以上連絡を取らない日々が続き、二人の仲は険悪に。ローマ音楽院を3年終了後に退学、イギリスに戻り、ロンドン大学の建築科に進む。カミュと同居を始めるが、卒業後破局。頭を冷やすため日本へ一年修行の旅に出る。(このへんから現在のDiaryに突入)
1年後、イタリアへ居を移し、建築家として活動を始めるが、実はそっちは仮面で、こっそり音楽院に復学していた。アイオリアの嘘がきっかけでカミュとよりを戻す。音楽院卒業時に、カミュに音楽院に通っていたことがバレる。
ヴァイオリニストで食って行く事を目指してコンクールに挑戦し、パガニーニ国際コンクールで2位になる。本人としては微妙な結果で、1位目指して他のコンクールを受けるか思案中。
パガニーニでタイトルをとった後、カミュにシビル・パートナー制による結婚を申し込んだが、過去の色々な失敗が祟って玉砕。それがきっかけでカミュから一方的に関係解消された。
カミュ・ルーファス・バーロウ Camus Rufus Barlowe
1974年2月7日生、1987年入学。
銀行員の典型的中流家庭の三兄弟次男。母親はフランス人。 ミドルネームのRufusには「赤い」(ラテン)という意味があり、かつては赤毛のあだ名として使われていたらしい。117期のスクール・オーケストラのパーカッション。教会聖歌隊と掛け持ち。
スミス寮出身。
卒業後、カーディフ大学(ウェールズの名門校、建築で有名)の建築学科に入学。1年終了後にフランスへ留学し、丁度法学部の院生としてパリにやってきたアイオロスと同居することになる。そこで起こったある出来事がきっかけで、数年後、一応まだ付き合っていたミロと破局する。
その後ロンドンへ戻り建築学科を卒業するが、結局建築には進まず、照明デザイナーになる道を選び、Sally Storey率いるJohn Cullen Lightingに入社する。ミロと別れたあと、会社の上司のEllen Mullar(ドイツ系クォーター)と結婚を前提に付き合うが、結局ミロの事を思い切れずに別れる。Ellenとは今も良い友人、仕事上の先輩として付き合いがある。別れたあと、会社を辞めてフリーの照明デザイナーになる。
ミロとよりを戻した後は、一時期イタリアに事務所を移すことを考えていた。
ミロがパガニーニ国際で2位をとった後は、音楽では既に役に立てなくなた自分がミロの側で生きていくのは難しいと実感し、少し距離を置く決意をしたが、そこでミロにプロポーズされ、生活の面倒はみるから今からピアノをやり直せと勧められて脳味噌沸騰、その場で絶縁を言い渡す。その後、なんとしても自力でミロと対等の立場になりたいと、音楽院のピアノ科を受験、ローマ音楽院に入学。
現在、入学先のピアノ講師、ユーリ・ナジェインと同棲中。ユーリのプライベートレッスン代(月1600ユーロ)を免除してもらう代わりに、ユーリの恋人になる(アルバイト)契約を結んでおり、最近はピアノだけでなく夜のテクニックも大分向上した模様。
アイオロス・ヴィンセント・エインズワース Aiolos Vincent Ainsworth
1971年11月30日生、1985年入学。
115期のスクール・オーケストラのコントラバス奏者。彼の代は彼一人。彼の一つ下にはコントラバス・パートが入団せず、2学年下(ミロやカミュと同年代)に、やっと念願のコントラバスの入団が2名あった。
スミス寮出身。
卒業後はオックスフォード大に進学、法学を学ぶ。フランスで2年留学したのち(このときカミュと同居)、小さな弁護士事務所に入る。専門は、少年犯罪。
ちなみに、彼を軍人にと望んでいたアイオロスの祖父は、弁護士ならバリスター(法廷弁護士)だと強固に主張し、アイオロス自身も最終試験まで受けたが、やはりバリスターは性格に合わないと結局ソリスター(事務弁護士)になる道を選んだ(実はなんとしても法廷であの時代錯誤のカツラを被りたくなかったから、というのが本当の理由らしい)。実はアーチェリーの名手。(このへんから現在のDiaryに突入)
同学年のサガ・シュローズベリと十年以上の付き合い。年少組のように破局することもなく、順調に続いている。つい先日、パートナーシップ法にもとづき結婚に相当する関係をサガと結んだ。
生まれはアメリカ合衆国で、プレップまでアメリカのシカゴに居た。そのため、味覚はすっかりアメリカン。また、20歳までアメリカとイギリスの二重国籍保持者だった(弟のアイオリアも同じ)が、サガとイギリスに住むことを選び、合衆国の国籍を放棄した。
アメリカの法律では、アメリカで生まれる事が合衆国大統領になる資格の一であるので、「将来合衆国大統領になれたかもしれない男」というアイオロス本人の弁は間違いではない。
サガ・エセルバート・シュローズベリ Saga Ethelbert Shrewsbury
1972年5月30日生、1985年入学。
Ethelbertはnoble-brightの意。シュローズベリ伯爵家の長男である彼は、正式にはチェトウィンド卿(Lord Chetwynd)と呼ばれ、実家の使用人からもこう呼ばれている。ちなみにChetwyndは現シュローズベリ伯爵(=父)が持つ第二位の爵位。
スミス寮出身。(このへんから現在のDiaryに突入)
卒業後はオックスフォード大学で伝承文学の研究に携わり、そのまま同じ研究室で助教授として研究室に残っている。実家は再三学業を切り上げて家に戻れと催促していたが、本人はアイオロスから離れたくない一心でなんとか家を離れる事を考えていた。双子の弟カノンがアメリカで心理学の勉強を終えて戻って来るまでは、カノンに跡継ぎを押し付けるわけにはいかない、と態度を明らかにしなかった(アイオロスはその判断に疑問を呈したが)。
カノンが勉強を終えてイギリスに戻って来たこと、アイオロスが本気で養子をとることを考えていることを知ったのをきっかけに、漸く実家と決別することを決意する。どうしても父が家を出ることを許してくれないと知ると、精管結紮手術(パイプカット)をアイオロスにも内緒で受け、子供がもはや作れないことを理由に実家と絶縁した。その後、家を継ぐのを嫌がっていたカノンも諦め、時期当主となることを承諾した模様。
最近アイオロスとパートナーシップを結び、Saga Ethelbert Ainsworthと改名。


アイオリア・ジャスティン・エインズワース Aioria Justin Ainsworth
ミロやカミュと同学年。ラグビー部所属。兄アイオロスと同じく長身。ミロとは入学時からの付き合いで、かなりの尻拭いをさせられている。
スミス寮出身。
卒業後は師範学校へ進み、体育の教師になる。在学中から付き合っていた魔鈴と早々に結婚、一女(ミリアム)、一男(レイ)の父。
ミロとカミュが付き合っていることに、結婚して家庭を得た人生の先輩として、今も反対している。(主に、カミュにはもっといい女性がいるだろう! というのが理由。ミロがいつまでたっても自立できないから、というのもあるらしい)ただし、しつこく「正常な」結婚をすすめる影には、相変わらず振り回されている同性愛者カップルの兄への反抗があるのかもしれない。
シュラ・アレクサンダー・コーツ
115期のスクール・オーケストラのチェロ。異例の2年連続パート・リーダー。父は整形外科医。クリニックを開いている。アイオロス、サガと同学年。
スミス寮出身。
卒業後は医大に進み、父の病院を継いだ。
大学時代の後輩と結婚。娘が一人いるらしい。奥方ともども、仲間には写真もみせたことはない。プロポーズの代わりにバッハの無伴奏を弾いた、という本当かどうかわからない噂が囁かれている。
愛想は皆無だが、何故か未だにアイオロスとの関係は続いており、ジャック・ルーシェのコピーバンド”SEC AURA”のメンバーでもある。
デイジー・ギネス (デス) Desy Guiness
父親はイギリス人で物理学者、母親はイタリア人、生まれたのはドイツ。 DESYの名は父が4人の娘の後に漸く授かった長男に歓び、当時彼が勤めていた研究所の名前を与えたが、DESSYと混同されよく女扱いされるので本人は気に入っていない。 あだ名はデス。 アイオロス、サガと同学年。心霊研究会の会長。
スミス寮出身。
卒業後、ケンブリッジに進み、現在は王立心霊研究所に勤めるその道のエリートである。物理学者である父親が、意外にも、親類縁者の中で唯一彼の仕事を理解する人間だという(お互い実在論などをこねくり回しているからであろう)。霊感は全くないわけではないが、感度が悪いため、相当に危険な霊でないと感じ取れない。そのため、霊感のあるミロやシャカなどが時折調査にかり出される。
アンドリュー・ジョージ・シーファ
アイオロス、サガ、シュラと同期の115期のスクール・オーケストラのヴィオラ奏者。
スミス寮。
卒業後はオックスフォードへ行き、(誰もが驚いたが)政府の官僚になった。三歳年下のかわいい奥さんがいる。
ドウコ・ジェファーソン・オルグレン
第113代目のスクール・オーケストラ団長。パーカッションのパート・リーダー。
ローズ寮出身。(このへんから現在のDiaryに突入)
実は、ロンドンで一番大きな華僑(広東幇)の跡継ぎだったが、家に縛られるのが嫌で逃げ出し、現在は義兄(姉の夫、従兄弟)に家を押し付けて整体院をやっている。が、ペット(動物)の整体の方が上手いので、最近はそちら目当ての客しか来ない。
シオン・メリベル・ハーシェル
第113代目のスクール・オーケストラ、コンサート・マスター。
ローズ寮出身。(このへんから現在のDiaryに突入)
ロンドンでも古い華僑(客家幇)の跡継ぎだった。ドウコの腹心となるよう家から命じられ、クィーンズベリに入学してきたが、「成績は必ず主家の一歩後ろを目指せ」という命令をきっぱり無視し、学内ではドウコと対等に接して来た。が卒業時に急に主人に対する家臣の態度に改めたためドウコが怒り、そのまま二人で出奔することに。その後、ドウコと共にロンドンで整体院を開く。こちらは人間専門。カノンに一度、サガを施術するところを見せた事がある。
ちなみに、実家では、今でも主家の若君をたぶらかしたとされ出入り禁止になっている。
カノン・セオフィラス・シュローズベリ Kanon Theophilus Shrewsbury
サガの双子の弟。父のシュローズベリ伯爵の判断で、サガがパブリックスクールに上がったのと同じ年にアメリカに送られた。付き添ったのは、伯爵がもっとも信頼する執事と乳母の二人だけだった。Theophilusは「神に愛されし者」の意味。(このへんから現在のDiaryに突入)
ハイスクール、大学、大学院とアメリカで学び、心理学のMedical Doctorを取得。現在はカウンセラーの仕事をしている。近年、ロンドンに戻り、その後サガが家を継ぐ事を考えていないこと(とアイオロスと恋人関係にあること)を知らされ愕然とする。
自分がアメリカに送られたのも全てサガを問題なく当主につかせるためであり、自分が舐めた辛酸はなんだったのかと憤るが、アイオロスの説得作戦で毎週訪問を受けているうちに徐々に態度が軟化。最終的には、サガの精管結紮手術がきっかけで、ついに家を継ぐ覚悟を決めた。
同じ精神医療に携わる(男爵家出身の)彼女がおり、家を継ぐなんて聞いていない、ともめているらしい。