Theme No.7 Rachmaninov Piano Concerto No.2 in C Minor, Op.18

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Rachmaninov Piano Concerto No.2 in C Minor, Op.18
Vladimir Ashkenazy (p) 
http://www.classicalarchives.com/album/028944483925.html

サンプル音源の聞き方の説明はこちら


ようやく、この曲についてのエントリーが書けた!
……といいつつ、実は本のあとがきで結構書いてしまったので、あまり書く事はないんですが(笑)
Memory of Music 第2巻で、カミュが左腕を庇いながら弾いた曲です。
しかし、本当のことを言えば、左腕庇いながらでは絶対弾けない曲だと思います(^^:)
お話のご都合、ってことで、大目にみてやって下さい。。。
このシリーズ、実際にピアノを弾かれている方にはまるわかりでしょうが、設定でかなり無理している部分があります。
手術をして一ヶ月もしないうちに練習とか多分あり得ないと思いますし、いくらカミュがコンクール三冠でも、流石に左手がああいう状態では半年で仕上げるのは無理なんじゃないかな、と。
手を怪我したり、手術したりした後復帰した人の例をみると、やはり最低でも1年、2〜3年掛かる人も沢山います。
実は、一番最初のプロットでは、そこも真面目に2〜3年かけて復活させるつもりでいたのですが、その2〜3年の間のネタで困ってしまったのと、そこまで時間かけるとカミュが30歳超えてしまうので(笑)無理矢理半年で弾いてもらうことになりました。
まあ、どのみち第2部では30才超えちゃうんですけどね(^^;)
コンクール三冠といえば、これも、現実の世界では多分ないと思われます。
理由は本文にも書いたとおり、コンクールの趣旨は演奏家を社会に送り出すことなので、一度有名コンクールで一位になったら、もはやその必要がないから、です。実際に参加を申し込んでも、コンクール主催者側から断られると思います。
しかし、実は、これに似た事は実際に起こっています。
ウラジミール・アシュケナージの1962年の第2回チャイコフスキー・コンクール優勝(ジョン・オグドンとの同時優勝)ですね。
アシュケナージは、1955年にショパン国際で2位、1956年にエリザベート王妃国際で1位を取得しています。この時点で既にアシュケナージは一流ピアニストの仲間入りをしていたので、6年も経ってから、チャイコフスキー国際にわざわざ出場する理由はなかったと思われます。
出場した理由は、鳴りもの入りで開催した第1回チャイコフスキー国際コンクールで、優勝をアメリカ人のクライバーンにかっさらわれてしまったので、次はなんとしてもロシア人(当時はソ連だった)を優勝させたかった、というコンクール主催側の思惑があったからだと言われています。本当かどうかは知りませんが、当時の米ソの関係を思えば、そうだったのかもしれません。
ただし、アシュケナージはその後イギリスに亡命してしまい、ソ連の公式記録では、彼の優勝は抹消されている…と、Wikiには書いてある(^^;) ひどい話ですね。
ソ連が崩壊した今、彼の名誉を回復しても良さそうなものですが、そうなっていないのは、もしかしたらアシュケナージ自身が、政治に振り回されたこのコンクールの参加自体に忸怩たる思いを抱いているのかもしれません。
演奏について。
ラフマニといえば、アシュケナージの演奏がまず挙がると思います。で、そのアシュケ様の録音なんだけど、これがまた結構沢山あるんですよね〜。
どれがいいか迷いましたが、結局一番若い頃の録音にしました。
私がこのディスクを持っていて、そのイメージでプロットを作ったから、というのが理由です。
もうちょっと年をとってから録音した演奏も聴いてみて、それはそれでいいな、と思ったのですが、この演奏だったら多分違う話になっただろうな、と思う。
ただ、これはあくまで私の印象なので、読者の皆様が「これが一番カミュのイメージ!」と思う演奏を見つけていただいたら(アシュケ様に限らず)、それが一番良いと思います(^^)
で、そう言う演奏があったら、是非私にも教えて下さい!!!<本気。
2番について。
ラフマニノフのピアノ協奏曲4曲のうち、一番有名なのは、と言ったら、間違いなく2番です。
しかし、一番の名曲は、という質問になると、3番という人もいて、意見が分かれます。
まあ、この質問自体が愚問なのですが、3番はピアニストの技巧を最大限要求されるという意味で、ある意味ピアニストの憧れみたいな曲なのですね。
この曲を有名にした演奏家は、ホロヴィッツです。ホロヴィッツの録音、3番はいっぱい残ってるけど、2番って見たことがない(笑)<誰か見た事ある人います?
で、実は、ピアノが爆走しすぎて、オケより何小節も早く曲が終わっちゃった、、っていうのも、ホロヴィッツ様のエピソードです(笑)しかし、観客は拍手喝采だったのだとか。
ホロヴィッツもアメリカに亡命していますが、当時の(今もか?)アメリカの観客層は、とにかく派手な曲、エキサイティングな演奏が大好き。そういうわけで、興行側が、そういうアメリカ人が喜びそうな曲を演奏させた、という話をきいたことがあります。
もし、彼がヨーロッパで活躍していて、もっとレパートリーを広げていたら、もしかしたら2番の録音も残っていたのかな……と思います。ちょっと、ホロヴィッツの2番を聴いてみたかった。
とくに2楽章。どんな風に演奏したか、興味があります(案外つまんない演奏したかもだけど(笑))。
私は特にホロヴィッツをピアノの神様だとは思っていませんが、「音の魔術師」という渾名を誰につけるか、と言われたら、やっぱりホロヴィッツかな、と思います。
というわけで、カミュには「音の魔術師」というタイトルはつきませんので(笑)ご安心を。
(秋吉さんに「音の魔術師、はナシね?!」と念を圧されていたり。。)
それでは、どうぞお楽しみ下さい♪
(いつものお約束。気に入ったら、ちゃんとMP3かCDを買って下さいね! ストリーミングで聴くだけでは、演奏家には1回0.3円しか支払われないそうです…3000千回も聴いてやっと1回のダウンロード分の金額にしかならないって、絶対何か狂ってると思う。)

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