せっかくエセルのご機嫌が直ったかと思ったら、ややこしい事になった。
約一ヶ月のお預けを食らった後、やっとこ同じ寝室で寝る事に。
領地侵犯をするな、と寝台の上にくっきりはっきりエセルは国境線なるものを引いて見せたが、まあ、もうかれこれ20年にはなろうかという付き合いだ。一緒の寝台に乗る事を許可した時点で、そんなものは意味を成さないと知っているし、全然向こうも眠りに落ちる気配が無い。
ので、手を出したら、思わぬ反応が帰って来た。
体、硬直しているんですけど? 奥さん??
頭で考えて嫌だと言うのと、生理的な反応で嫌だと言われているくらいの区別はつく。
この場合は、まあ、きっぱりはっきり後者な訳で……。
はてさて、どうしたものやら。
どうやら潔癖症のサガのポイントを突付いたらしい。(今更だと思うんだが、こいつは根に持つからアレルギーのように堆積したものが反応したか、タイミングが悪かったか。まだ観察が必要か)
とりあえず、朝起きて、おはようのキスとか、軽いスキンシップくらいなら大丈夫な事を確認。
うさぎどもの掃除をして、来週一週間の買出しを済ませ、まだ明るい午後の日差しが差すリビングで、エセルは紅茶、俺はコーヒーなどを飲んでみる。
「エセル、髪、洗ってやろうか?」
にこにこしながら、おいでおいでをすると、訝しげな表情を浮かべたまま近寄って来た。(こいつ、年々色々とうさぎと同化してきてないか?)
バスタブにエセルを入れて、トイレの蓋に腰掛けながら細くて柔らかい髪を洗ってやる。
ふむ。どうやら裸を見られることには抵抗はないらしい。
髪をドライヤーで乾かしてやりながら、後ろから項にkissしたら、肩がビクッと揺れた。
が、別に逃げはしない。そのままエセルの体に手を這わせたら、ばっと振り向かれ、涙目でダメだしを食らった。そのエセルの腕にはしっかりと鳥肌が立っていた。
ふーむ。
色々となかなか、エセルは初々しいなぁ。