定期連絡

今年に入ってカミュとの定期連絡が途絶えた。
色々と連絡を取ろうとした結果、「暫く連絡を取らないことに決めた」との返事。
…………めちゃくちゃ落ち込む。
が、事態を静観しているわけにもいかないので、今、もっぱらカミュの事を知ろうとしたらロンドンのサガに頼んでいる始末。


申し訳ないなぁ、と思いつつ、日曜の晩に(土曜の晩と金曜の晩は駄目、というのは知っているから)サガに電話して何かカミュについて新しい話がないか聞いてみる。
本当なら第三者になんか頼らずに、自分でロンドンに行ってカミュと話をすればいいのだけれど……。

  1. カミュは頑固。今の状態のカミュに何か言っても事態は変わらない。
  2. ありがたい事に、ちょくちょくと音楽の方で小さな仕事が入ってきていて、今簡単にイタリアを離れるわけにはいかない(ビミョーなコンクール結果だったので拾える仕事は全部拾って将来につなげて行かないとならないから)
  3. 今動いてもカミュのカチンコチンになった頭を余計硬くさせるだけ

というような感じで……手詰まりだ。
誤解だとは手紙にもメールにも書いて送ったけれど、問題は誤解云々ではなく、カミュが俺とどう関わってくれるつもりなのか、そこだ。
お互いに、ただ好きだ、両思いだ、でこれから先一生続けるわけにはいかないように思う。
もちろん、そういう関係もありなんだと思うけれど、カミュの場合はきっと続かない。
一生続かせたい深い関係性を維持するための提案は、やっぱり生半な事ではなくて……。
電話の呼び出し音の間、思わず溜め息をついてしまう。
と、ピタッと機械音が止んで、「Hello?」というサガの柔らかい声が耳に流れ込んできた。
サガって、それなりに頭が切れるし鋭いところがある筈なのに、何でかそういう鋭利な感じが全く外からは普段窺えない。
この柔らかい声のせいかな?
こうも度々カミュの事で電話を掛けるのも流石に居心地悪くて、うさぎは元気か、ロスは元気か、なんて話をして、それからやっとカミュの事に話題を移した。
サガは、ほんの少しだけ、ちょっと考えるような間を置いて、「実は……」と切り出した。
カミュは、プチのパートナーを迎えたよ、と。

…………俺の事はほっといても、うさぎの事に使える時間はあるんだ、カミュ……(涙)

いや、いいんだけどね……。カミュがそうやって色々と頑張ってくれているのは……。
でも……なんか、俺、うさぎに負けた……?
そして最後にまたサガから重い発言。
カミュは、今のアパートを引き払うつもりらしい、と。
新しいうさぎを迎えたりしているわけだから、きっとカミュにはカミュなりに踏ん張れると思って色々しているんだろうだろうけれど……。
何を考えているんだろう?
何をしようとしているんだろう?
カミュの事を思えば思うほど、苦しくなる。
会えたり、話したりすれば全部相手を理解出来るかって言ったら、そんな事はない。
でも、だからこそ会いたい。
サガに丁寧にお礼を言って電話を切った。
2月、カミュの誕生日、いつもこの辺りはとても忙しいから、遅くてもイースターの前には絶対にロンドンに行ってカミュに会おうと決心をして、返事は返ってこないと分っているカミュにメールを書くためにコンピューターを立ち上げた。

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