祭りはまだ終わっていないのだが、町にはなんともいえない脱力感が漂っている。今日は仕事の関係で外食したのだが、先方がサッカーが気になるというので観戦出来る場所で会ったら、後半は仕事にならなくなってしまった(先に重要な事は済ませてあったから良かったけど)。
イングランドの敗戦には、自分でも驚くほど衝撃を受けた。勝負事なら負けるのは仕方がないが、もう少し諦めきれる負け方をして欲しかったというのが正直なところだ。あれでは、周りから煙たがられるのも構わず(?)イングランドを応援し続けたアイオロス先輩があまりにも気の毒だ。この試合、一番に肩入れしていたのは間違いなく先輩だから(ミロもだけど、あいつは勝敗より美学を重んじる向きがあるからイタリアが綺麗な試合をすれば多分問題ない)、彼が一番にがっかりさせられるのは正直辛い。(こちらも相当がっかりしたけれど。)
ただ、不甲斐ない試合には違いないが、その責を怪我で退場したベッカムや本戦に一戦も参加できなかったオーウェン、一発レッドカードのルーニーばかりに押し付けることは出来ないと思う。はっきりいってこれは監督の采配ミスだ。怪我も試合のうちだから、スター選手が怪我で抜けても対応出来る準備をしておくべきだったのだ。オーウェンの代わりはそう簡単にはみつからないかもしれないが、彼の怪我で4-1-4-1の布陣に変更せざるを得なかったというのが全てを物語っているような気がする。ジェラードやランバートら攻撃的MFを前に押し上げたかったという声もあるし、実際ジェラードは2得点を上げているが、決勝トーナメントを生き残れるほど熟れていなかった。苦肉の策で勝ち上がれるほどワールドカップは甘くない、ということだろう。
ルーニーは故障あけで調子が出ず、予選リーグの時から苛ついていた。オーウェンが去ってからは、得点源の期待は彼一人にのしかかり、その上1トップでサポートも十分にない状態で戦わねばならなかった。98年の悪夢を知っていてなお同じ結末を辿るのは確かにいただけないが、あの一発レッドカードは今までの不満が一気に爆発したように見える…彼はこれから8年前のベッカムと同じく散々袋叩きに遭うのだろうが、彼のせいで負けたというよりは、もともとフォワードに決定力がまるでない状態で8強までのし上がってきた事のほうが奇跡だ。パブでは罵声が飛んでいたが、むしろ準々決勝まで凌いだ守備を褒めるべきではないか。
…とここまで書いたらミロから電話があった。フランスがブラジル相手に勝ったからだ。
(しかしあいつは、どうも私がフランス贔屓だと思っているらしい…一応一番はイングランドだったんだがな…UK国民としては。)
この結果は、別の意味で衝撃を受けた。正直、フランスがここまで持ち直すとは思わなかったからだ(ブラジルも万全の状態ではなかったようだが)。
綺麗な試合だったと思う。どうも、フランスはブラジルと相性がいいようだが、ファウルも気にせず泥臭く攻めてくるポルトガルに対してはどうか、少々気になる。あの華麗なパス回しは、どうやら相手もそれなりのレベルでないと発揮出来ていないような気がするのだが……
次はイタリアとドイツ、勿論イタリアを応援するけれど(シュラ先輩には申し訳ないが、ドイツはホームグラウンドだから勘弁してもらうことにしよう)、試合時間内で決勝点を決めないとドイツ突破は厳しそうだ。先のウクライナ戦では漸く調子を取り戻したようだから、ベストの状態で試合に臨めれば結果は期待出来ると思う。
…それにしても、ミロの心配ではないが、エインズワース家はどうなっているんだろうか。
サガ先輩一人でなんとかなる状態で収まっていればいいんだが……。